「森の宝石」と称されるほど美しい体色が魅力の、ヤドクガエル。
一度は飼育したいと考えたことがある方も多いのではないでしょうか?
ヤドクガエルの魅力を存分に引き立てるには、植物をレイアウトしたビバリウム水槽での飼育が最適です。
猛毒のイメージが強いですが、実は強い毒を持つ種類はそこまで多くありません。
国産ブリードであれば、無毒のヤドクガエルを飼うことができるんです!
今回はそんなヤドクガエルの基本的な飼育方法やレイアウトのやり方、値段などについて解説していきます。
ヤドクガエルの飼育方法
ヤドクガエルは中南米の熱帯雨林に多く生息し、確認されているだけでも200以上の種類に分類されるヤドクガエル科の仲間です。
大きさは1.5~最大でも6cmと小型で、他のカエルと同じように昆虫や節足動物を捕食して生活しています。
まずはそんなヤドクガエルの基本的な飼育方法を確認していきましょう。
- 飼育ケージ・レイアウト
- 適切な温度・湿度
- おすすめの餌
こちらの3項目について、わかりやすくご紹介していきます。
ヤドクガエルの飼育ケージ・レイアウト
ヤドクガエルを飼育するときは、熱帯雨林の環境を再現したレイアウトを水槽内にほどこすのが一般的です。
緑に囲まれた空間だとヤドクガエルの美しい体色がより一層際立ちます。
そこでおすすめなのが、高い湿度を保ったまま動植物を育てられる「パルダリウム水槽」です。
水槽の上下には通気のためのアルミメッシュが設置されているのですが、目が細かいので水槽内に程よい湿度を保つことができ、ヤドクガエルの餌となる昆虫の脱走も防止できます。
排水機能が取り付けられているタイプだと、底に溜まった余計な水分を適度に排出できるのでとても便利です。
ケージの広さは横幅30cm、高さ40cm以上であれば植物も生体も無理なく育てることができます。ヤドクガエルは縄張り意識を持つカエルなので、複数飼育する場合は横幅60cm以上のものを選びましょう。
レイアウトとしてはまずケージの底にハイドロボールを敷き、その上に用土(黒土など)を被せます。土は必ず農薬が使われてないものを選びましょう。
土の上にハイゴケやウィローモスといった苔類を敷き、湿度の高い環境でも育つ植物やアク抜きした流木を置いていきます。植物はベゴニアやシダ、ブロメリアの仲間などがおすすめです。
手前の空間は植物などを植えず、浅い水場を用意したり給餌スペースとして活用しましょう。
両爬虫類用のウォーターディッシュを用意するとメンテナンスがしやすいです。
ヤドクガエルが好む温度・湿度
ヤドクガエルは温度と湿度の管理がとても重要です。
適温は27℃前後なので、パネルヒーターなどを使って一定の温度に保ちましょう。
ただし、水槽内が30℃を超えると弱ってしまうので注意が必要です。
また、ヤドクガエルの飼育環境は70%以上の湿度を保つ必要があります。
湿度に関してはパルダリウムでおなじみのミスティングシステム(自動噴霧装置)を活用したり、霧吹きを行なうなどして対策をします。
温度も湿度も結構シビアな管理が必要なので、水槽内には温湿度計を設置しておきましょう。
日本の気候は年間を通して上がり下がりが激しいため、ヤドクガエルを飼育する部屋全体をエアコンで管理したり、温室を用意することをおすすめします。
ヤドクガエルにおすすめの餌
ヤドクガエルは主に昆虫を食べて生活していますので、飼育する際は通販でも入手しやすいコオロギを与えるのがおすすめです。
両爬虫類の専門店ではヤドクガエル用の小さなコオロギのほかに、餌に適した飛べないショウジョウバエを扱う店舗が増えてきています。
どちらを与える場合にも必ずダスティング(栄養添加)をして、毎日食べる分給餌しましょう。
始めは少し多めに与えて、どのくらい餌を食べるのか把握することが大切です。
ダスティングとは適当な容器や袋に与える分の昆虫を入れ、カルシウム剤やビタミン剤をまんべんなく振りかける方法を指します。
昆虫だけでは得られない栄養を添加して与えることができるので、給餌の際は必ず行ないましょう。
ダスティングについてはこちらの「ダスティングでカルシウムを補給!」の項目に詳しく記載していますので、ご覧になってみてください。
ヤドクガエルの毒について
ヤドクガエルと言うと、その名の通り毒を持つことで有名ですよね。
実際、猛毒を持つ種類のヤドクガエルは、少し触れただけで大きな牛をも死に至らしめてしまうほどの毒を有します。
しかしご安心ください。国産のCB個体であれば、無毒のヤドクガエル飼育することができるんです!
ここからはヤドクガエルの毒のメカニズムや、飼育する際の注意点について解説していきます。
国産ブリードのヤドクガエルは無毒!
そもそも、ヤドクガエルが毒を持つ理由は野生での食生活が関係しています。
野生下のヤドクガエルは毒のある昆虫や節足動物を捕食しているため、体内で毒が濃縮し、ヤドクガエルそのものの毒として表れているようなのです。
そのため、生まれたときから何世代にも渡って管理されてきた国産ブリードのヤドクガエルは毒を持ちません。
つまり国産のCB個体を購入すれば、ヤドクガエルの毒については心配がいらないということです。
それでもハンドリングは避けよう
先ほどもお伝えしたように、国産ブリードのものであればヤドクガエルの毒は心配いりません。
しかし、だからといってヤドクガエルの体をむやみに触るのはやめておきましょう。
ヤドクガエルは飼育環境が30℃を超えるとたちまち体調を崩してしまいます。
人間の体温はそれよりもっと高いので、軽く触れただけでも火傷を負わせてしまう危険性があるのです。
また、カエルの粘膜には目には見えない菌が潜んでいる可能性が高いため、植物のトリミングなど飼育管理を行ったら必ず手を洗いましょう。
ヤドクガエルの値段
ヤドクガエルの値段は1匹あたり、平均2~3万円ほどです。
珍しい品種だと10万円前後で取引されている個体もいます。
以下にヤドクガエルの人気種と平均的な価格をまとめてみました。
- コバルトヤドクガエル 2~4万円
- アイゾメヤドクガエル 2~6万円
- マダラヤドクガエル 1~2万円(柄によっては10万円を超える)
- イチゴヤドクガエル 2~3万円
- シレンシスヤドクガエル 1万円前後
両生類は通販での購入が可能なので、好きな柄の品種を探して価格帯を調べてみましょう。
まとめ:ヤドクガエルの飼育方法!毒は大丈夫?レイアウト・餌・値段なども解説
今回はヤドクガエルの飼育方法やケージのレイアウト、毒性のことについて解説をしてきました。
国産ブリードであれば、無毒のものが飼育できます。
皆さんも好みのレイアウトを施したビバリウム水槽で、お気に入りのヤドクガエルを飼ってみてはいかがでしょうか?
温度や湿度などシビアな管理が必要ですが、手をかけて育てた分、宝石のように美しいヤドクガエルの姿をより深く味わえるはずです!
爬虫類好きのライター集団です。
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