テラリウムやアクアテラリウムなどで爬虫類をペットとして飼育する人が増えていますが、フトアゴヒゲトカゲに代表されるトカゲは初心者でも飼育しやすいこともあり高い人気を誇ります。
しかしトカゲを飼うときに注意しなければいけないことのひとつに餌の問題があり、トカゲの種類によって適した餌を用意する必要があるんです。
今回はトカゲを初めて飼育する人向けに、トカゲの餌の選び方やどんな餌がおすすめか、さらには餌の与える方法などをご紹介していきます。
トカゲの餌の選び方
ペットにできるトカゲといってもニホントカゲやイグアナをはじめ、カナヘビ・ヤモリ・カメレオンなどさまざまな種類がいて、生き物の枠としてはとても幅広いんです。また種類が多いことでトカゲの中でも肉食性や草食性、雑食性など食性も異なり、今飼育しているトカゲやこれから飼育しようとしているトカゲがどんな食性をしているかをきちんと調べ、適した餌を選んで用意してあげる必要があります。
主なものとして以下のような種類が挙げられるます。
- 肉食性=サバンナモニター・ミズオオトカゲなど
- 草食性=グリーンイグアナ・エジプトトゲオアガマなど
- 雑食性=フトアゴヒゲトカゲ・アオジタトカゲなど
トカゲの餌おすすめ7選
飼育しているトカゲの食性がわかったら、今度はどんな餌がいいのかを考える必要があります。そこでここからはトカゲの餌としておすすめできる7種を挙げ、どのようなタイプのトカゲにおすすめかをご紹介します。
コオロギ
ミズオオトカゲをはじめとする肉食性タイプのトカゲにとって最も一般的な餌として知られているのがコオロギです。主にフタホシとイエの2種類のコオロギが流通されていますが、どちらもサイズ別に販売されているだけでなく低脂肪かつ高たんぱくの餌なので主食に適しています。
ただし生きたまま与える場合は口の中を噛まれるなどの事故が起きることもあるので、与える際には頭をつぶしたり弱らすなどの対策をした上であげるようにしましょう。
ミルワーム
ペットショップなどでも簡単に購入することが可能で、なおかつ値段も安いのでトカゲの餌として重宝されることも多いミルワーム。コオロギよりは栄養価は低いですが、それでも脂肪やたんぱく質を多く含んでいるので、病み上がりなどで弱っている場合や、繁殖に備えてクーリングさせたい場合にはおすすめです。
しかしリンが多くカルシウムが少ないので、ミルワームばかりを与えているとくる病になってしまうこともあるため、主食にするときは栄養バランスに注意しましょう。
デュビア(ゴキブリ類)
爬虫類が初めてという人は「デュビア」といってもピンとこない人が多いのではないでしょうか。実はこのデュビアはゴキブリの一種で、トカゲやヒョウモントカゲモドキといった昆虫を食べるトカゲに向いている餌です。大きさは4cm未満のものが多く、自分で繁殖させることも可能なのでうまく繁殖させられれば毎回購入せずとも用意するのが可能になります。
トカゲの種類や大きさによって変わりますが、アダルトなら月あたり100匹前後のデュビアが必要になるので、これを自前で用意できるかが目安になりやすいです。
ミミズ
肉食・雑食性トカゲの多くが好んで食べる餌のひとつで、トカゲの餌としての知名度も高く、一部のトカゲは専用の餌になるほどのミミズ。ショップで売られていることもありますが、購入する場合はミミズ自体を選ぶ必要があるんです。
これは一般的に流通されている養殖もののミミズの中には、飼育段階で薬物を利用していることも多く、これを餌にしてしまうことで薬害に遭ってしまう危険性があるため。こういったことから値段の高い天然ものか、こういった薬物を使わず爬虫類の餌用として飼育された養殖ミミズを選ぶようにしましょう。
小松菜
草食・雑食性に与える野菜系の餌として知名度も高く、ショップなどでもよく餌で与えられている小松菜。トカゲの中でも人気の高いフトアゴヒゲトカゲなどにも与えられますし、家庭菜園などで作りやすい点も大きなメリットです。
栄養面に目を向けてもタンパク質やカルシウムを豊富に含むだけでなく、繊維質もきちんと補えるので重宝する餌といえます。
カボチャ
季節を問わず入手しやすいことに加えて、栄養豊富でフトアゴヒゲトカゲなどのトカゲにも人気のカボチャは小松菜と並びポピュラーな野菜系の餌のひとつ。もちろん生のまま小さく切って与えても大丈夫ですが、硬く消化に難があるので電子レンジなどで軽く加熱し、冷ましたものをあげると消化を助けることができます。
ただしカロリーも高いので食べさせすぎには注意してくださいね!
マウス
マウスは中型以上の肉食性トカゲの餌としてあげることができます。ネット通販などで買う場合は冷凍のものがほとんどですが、加熱処理がされていないものがほとんどなので栄養価も高いのがポイント。保存も効きますし、マウスをあげた場合とあげていない場合では成長速度に差が出るとも言われているほどなんです。コストが高めなのは難点ですが、肉食性のトカゲを飼う場合は主食としてもおすすめ。
トカゲに餌を与える方法
トカゲの餌を用意するのはもちろんですが、ケージ内にただ入れればいいというものではなく、きちんと食べてくれるような餌やりをしなければいけません。そこでここからはトカゲの餌やり方法について見ていきます。
エサ皿で与える
エサ皿を使わずケージの中に入れる方法だと餌に気づかなかったり、食べてくれないこともあるので基本的にはエサ皿を使い、エサのタイミングや栄養バランスの取れた餌やりをしてあげることが重要です。エサ皿を使うエサとしては野菜やマウス、デュビアなど動きの少ない昆虫などが挙げられます。
コオロギはピンセットで与える!
おすすめの餌でも触れましたがコオロギは噛む力が強く、動きも激しいのでそのままケージ内に入れると捕食するまでにトカゲがケガをしてしまう危険性もありますし、実際に食べてくれるかもわからないためピンセットを使って軽く揺らしながら与えるのがおすすめです。
ダスティングでカルシウムを補給!
ダスティングとはコオロギや小松菜など、トカゲの餌となるものにカルシウム剤をまぶして与えること。トカゲなどの爬虫類は日光浴不足や、餌でのカルシウム不足などが原因でくる病になることもあり、これを防ぐために餌で栄養バランスが偏らないようにしてあげることが重要です。
ダスティングは餌とカルシウム剤を一緒に袋やカップに入れて振る方法などがメインで、まぶしきれなかった余り分はそのまま捨てるようにします。もったいないと思われがちですが、カルシウム剤は常温だと劣化してしまうため、使いまわしはNG。
ダスティングをする際は偏りがないようにまんべんなく混ぜてあげるようにするのがおすすめです。また飼育環境でUVライトを使っている場合はカルシウム剤のうちビタミンD3が入っていないものを選び、未使用の場合はこれが配合されているものがおすすめ。
ビタミンD3は紫外線が不足しやすい環境に必須な栄養素ですが、与えすぎるとトカゲに悪影響を与えてしまう部分もあるのでライトの有無などで調節する必要があります。
まとめ:トカゲの餌は何が良い?蟻?ミミズ?ゴキブリ?!与え方も解説します!
トカゲは手がかからない点や鳴き声を気にしなくていい点、かわいい仕草などが人気で、マンションでもペットとして飼える爬虫類です。そんなトカゲを飼育する上で、飼育するトカゲがどんな食性なのかを知らないと適したエサを与えることもできません。
トカゲにどんなエサを与えるか悩んだ場合は今回の記事を参考にして適したものを食べさせてあげるようにし、栄養バランスの偏りがないように健康に育ててあげましょう!
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