
『レプラーゼ』は爬虫類の腸整剤です。
ちょっとした気温差・環境変化で便秘しがちなヤモリ、カメ、ヘビ、トカゲなどの爬虫類たちの心強い味方で、四季のある日本でも通年でベストな排便を促します。
そのため、爬虫類飼育にはなくてはならないアイテムとして不動の人気を持っており、定番品として爬虫類飼育を始める際には、必ず購入されるほど。
編集部では製造メーカーである株式会社ベンリーパック食品様に、レプラーゼの特長を伺ってみました。
このコラムでは、取材した内容をもとに、レプラーゼの特長からおすすめの使用方法などを詳しく紹介します。
レプラーゼとは
レプラーゼは株式会社ベンリーパック食品から発売されている爬虫類全般に使用できる、安全な腸整・消化促進剤です。
ヒョウモントカゲモドキやフトアゴヒゲトカゲなど、便秘しやすい種類には非常に有用な添加剤で、多くの飼育者に愛用されています。
ヤモリ・トカゲだけでなくヘビも脱皮前になるとフンをしなくなってしまいますし、ちょっとした気温差でペースが落ちるなど、爬虫類の排便は不安定であることが多いです。
爬虫類飼育ではいかにスムーズに排便させるかが飼育ポイントと言えるでしょう。
レプラーゼはそうしたお悩みを解消しやすいサプリメントです。
レプラーゼ開発の背景!
まずは、どういったきっかけでレプラーゼが開発されたのか。
ベンリーパック食品では1985年の創業以来、冷凍ディスカスハンバーグを製造しており、その際にディスカスが餌を消化吸収しやすくなる、魚類用乳酸菌製剤を使用しています。
乳酸菌製剤メーカーの研究所ともやり取りすることが多く、「研究所がいろいろな動物の乳酸菌を持っており、そのなかに爬虫類の乳酸菌があることを知りました。」と、レプラーゼ開発のきっかけを教えてくれました。
ベンリーパック食品の代表者様は、魚はもちろん、カメやトカゲなどの爬虫類も飼育しており、健康を気遣っていました。
そこで、乳酸菌製剤メーカーに爬虫類用の乳酸菌製剤の製造を依頼したことから『レプラーゼ』が誕生したのです。
レプラーゼの特長!3つの腸内細菌を配合
レプラーゼはパウダー状の添加剤で、乳酸菌、酪酸菌、糖化菌の3種類の腸内細菌が配合されています。
- 乳酸菌:餌の消化吸収の促進、腸内フローラを整える働き
- 酪酸菌:腸のぜん動運動及び、大腸の粘液分泌を促進(便秘の改善)
- 糖化菌:乳酸菌やビフィズス菌を増やす働き
「人用腸整剤を製造している製薬メーカーで作っているので、ロットごとに菌数を調べて、人用と同等の品質管理を行っております。」と伺いました。
爬虫類は変温動物とはいえ、人間と同じ腸を持つ生き物です。
安全性が高く、そして確実な効果を得られるように、厳格な管理体制で製造されているんですね。
菌類を配合しているため使用期限がありますが、平均的な使用量に対して、内容量がたっぷり入っているためコスパ抜群です。
レプラーゼの種類!粉末タイプと水溶性タイプ
レプラーゼは、粉末状で餌にふりかけるタイプと、飲料水にまぜる水溶性タイプが発売されています。
粉末タイプは扱いやすさと確かな効果から、多くの爬虫類飼育者に愛用されています。
水溶性タイプは、練り餌や霧吹きの水にも混ぜられるため、まだ大きめの餌が食べられないベビーにも与えやすく、様々な爬虫類に使いやすいです。
また、弱っているアダルトにもおすすめです。
レプラーゼの効果と使用感
レプラーゼは下剤ではないため、便秘を急激に解消するアイテムではありません。
使い続けることで腸内環境を健康に保ち、フンをしやすくする腸整剤です。
レプラーゼは3つの腸内細菌の効果で、健康な排便を促すだけでなく、爬虫類の腸内の病原菌を抑制することが期待できます。
人間も、善玉菌をとりいれることで悪玉菌の増殖を防ぐことができますよね。
また、餌の食いつきもアップし、栄養吸収も良くなるようです。
著者も実際に、ヒョウモントカゲモドキにレプラーゼを与えてこまめな給餌を行ったところ、体長25cm以上と大きく育て上げることができました。
たんぱく質や脂肪分を分解する酵素も配合されているので、吸収が良くなるようですね。
そのぶん、著者のヒョウモントカゲモドキは餌のおねだり頻度が増えたと感じています。
水溶性は溶かして水入れに投入すると、有益な細菌などの活動により、どうしてもぬめりが発生します。
水溶性タイプの使用時は、毎日水入れを洗うようにしましょう。
レプラーゼのおすすめ使用方法について
レプラーゼの使用方法は、餌に適量をまぶして与えます。
水溶性タイプは、飼育水に適量を混ぜましょう。
ここではレプラーゼの効果がない場合の対処法や、使用したいタイミングについて紹介します。
レプラーゼの使用法!効果がない場合にの対処法
ベンリーパック食品様からは、「給餌の際に、継続して与えていただくのが効果的です。」
「また、以前ほど効果がないと感じた場合には、7~10日ほど使用を中止してから、再開していただくと以前のような効果があらわれると思います。」
と、アドバイスをいただきました。
与えすぎても害はないということで、規定量はありません。
とはいえ、著者の経験上、餌の水分が損なわれない程度にふりかけるのがおすすめです。
乳酸菌が配合されているため、開封後は冷蔵庫などの冷暗所で保管しましょう。
また、菌類なので湿気や水気が袋の中に入るのはNGです。
レプラーゼはこんなときに使おう
- 生体が便秘している
- 生体が軟便である
- ケージの温度が不安定・低め
- 餌への食いつきが悪いとき など
爬虫類は変温動物のため、ケージの温度が不安定な場合、便秘になりやすいです。
特に、気温が下がり寒くなる晩秋~冬季の朝晩は、保温していてもドアの開閉などで室温が下がりがち。
冬季は空気も乾燥しているので生体がストレスを感じやすく、ふとしたことで便秘になってしまうことも珍しくありません。
そうした時に、レプラーゼは排便をサポートしてくれる心強い存在でしょう。
また、配合されているビール酵母のおかげか、レプラーゼには独特の香ばしい匂いがあり、爬虫類の興味を惹きやすいです。
ただし、この匂いは好き嫌いがあり、食いつきが鈍る個体もいます。
排便や餌食いがイマイチな場合のサプリメントとして与えてあげるのが良いでしょう。
レプラーゼがおすすめな爬虫類例
レプラーゼは、ほとんどの爬虫類に使用できます。
ここでは、効果的な爬虫類の例をご紹介します。
ヒョウモントカゲモドキ
ヒョウモントカゲモドキは便秘で悩む飼育者が多い爬虫類です。
餌の消化がうまくいかないと、尿酸が固くなるため便秘しやすくなります。
通常時は粉末タイプを、便秘がひどい場合には練り餌などに水溶性タイプを混ぜて与えると効果的です。
フトアゴヒゲトカゲ
フトアゴヒゲトカゲは運動不足で便秘になりやすいです。
また、個体によっては温度がやや低い場所を好む場合があり、排便ペースが落ちてしまうことも。
ヒョウモントカゲモドキと同様に、消化が悪いと尿酸が固くなってしまうため、普段から継続的にレプラーゼを与えるのがおすすめです。
ボールパイソン
ヘビはもともとフンをする頻度が少ない生き物です。
ボールパイソンなどもアダルトになればフンが月1回のみ、ということも多いでしょう。
28~34℃ほどの比較的高温と50~70%程度の高湿度な環境を好むため、少し温度が下がると便秘になってしまいがち。
餌にレプラーゼをふりかけて与えてみましょう。
温浴との併用も効果的です。
リクガメ
リクガメは加齢に伴い便秘しやすくなる傾向があり、脱水がひどくなるとフンが出なくなってしまいます。
水分不足や運動不足に気を付けつつ、レプラーゼを与えることで便秘を防ぎやすくなるでしょう。
こちらも温浴と併用しつつ、水溶性タイプも飲用水に溶かして与えると効果的です。
まとめ:レプラーゼとは!爬虫類の便秘を防ぐ腸内細菌を取材!効果や使用法も解説
レプラーゼはロットごとの菌数もしっかりと管理されているなど、安心の国産腸整剤です。
与えすぎても害がないため、爬虫類の飼育初心者から手軽に与えることができます。
「しばらくフンを見ていない」「なんだか下痢っぽい・・・」というトラブルを防ぐことができるので、生体の健康のために常備したい逸品です。
使用期限はあるもののコスパは抜群なのもうれしいところ。
爬虫類のフンで悩んだらレプラーゼを与えてみることをおすすめします。

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