飼育下で生活する爬虫類は、野生で生活している頃よりも必要な栄養分が不足する傾向にあります。
そのようなときに役立つのが、爬虫類専用のミネラル・ビタミン剤。
わたしたち人間が普段の食事で不足する栄養をサプリメントで補うように、爬虫類も餌にミネラルやビタミンを添加することで、不足しがちな栄養分を補給させることができるのです。
爬虫類の餌に栄養剤を振りかけることをダスティングと呼ぶのですが、今回はダスティングの重要性やおすすめのミネラル・ビタミン剤7種類について、わかりやすく解説していきます。
爬虫類もミネラルが必要!
爬虫類ショップなどを見てみると、普段の餌の他に爬虫類専用のビタミンやミネラル剤が売られているのを目にする機会があるかと思います。
なぜ爬虫類にこのような栄養剤が必要なのでしょうか?
まずはその理由を解説していきます。
ダスティングや添加の重要性
飼育環境にいる爬虫類のほとんどは、野生下と比べるとどうしてもミネラルやビタミンが不足します。
完全栄養食である冷凍マウスに餌付いているヘビなどを除くと、ほとんどの爬虫類には不足しがちな栄養分を普段の餌に添加してやる必要があるのです。
そのため、コオロギや野菜にダスティング(栄養剤を振りかけること)したり、ビタミン剤を飲用水などに添加したりします。
必要なビタミンやミネラルが不足すると骨がもろくなったりカメの甲羅が変形してしまう可能性がありますので、適度に添加してやることが大切です。
爬虫類も塩でミネラル補給ができる?!
「ミネラル」とは「無機塩類」のことを言いますが、単純に爬虫類に塩を与えれば良いというわけではありません。
むしろ爬虫類に塩をそのまま与えてしまうと塩分過多になってしまうので、与えるとしたら餌となるコオロギに塩の入った人工飼料(ビバリア コオロギフードなど)を食べさせ、そのコオロギを爬虫類に与えるといった「ガットローディング」という手法をとるのが一般的です。
とはいえ、爬虫類に必要なミネラルとは主にカルシウムのことを指す場合が多いため、通常は添加剤の粉末を餌に振りかける「ダスティング」によってミネラルやビタミンを補給させます。
爬虫類のミネラル・ビタミン剤7選
爬虫類におすすめのミネラル・ビタミン剤ということで、今回は以下の7種類をご紹介していきます。
- GEX エキゾテラ カルシウム
- ZOOMED レプティバイト
- カミハタ 肉食性ビタミン添加剤 カーニボアビタミン
- テトラ レプチゾル
- ジクラ アギト爬虫類万能ゼリー
- スドー ハープクラフト カルシウムパウダー
- ネクトン レップ
GEX エキゾテラ カルシウム
まずはじめにご紹介するのは、ジェックスが販売するエキゾテラ カルシウム。
紫外線をあまり必要としない夜行性爬虫類(ヒョウモントカゲモドキなど)におすすめのカルシウム添加剤で、吸収を阻害するリンをまったく含んでいないのが特徴です。
スプーンが付属しているので、昆虫や野菜に手早く振りかけることができます。
カルシウムの吸収にはビタミンD3も必要です。
別売りのビタミン剤を一緒に使うか、適度にUVライトを使用してカルシウムの吸収を補助してやりましょう。
ZOOMED レプティバイト
次にご紹介するのは、ZOOMED(ズーメッド)のレプティバイト。
こちらはサンディエゴ動物園協力のもと開発された、プロ仕様のビタミン剤です。
爬虫類に必要なミネラルやアミノ酸を含んでいて、カルシウムの吸収に必要なビタミンD3まで添加されています。
このようにカルシウムとビタミンD3が同時に摂取できる栄養剤は、毎日与えると過剰症状を引き起こす可能性があるため注意が必要です。週2,3回の使用に留めておきましょう。
カミハタ 肉食性ビタミン添加剤 カーニボアビタミン
こちらはカミハタが販売している、カーニボアビタミン。
肉食性の強いカメレオンやヘビ、トカゲなどに使用する、100%天然素材の栄養剤です。
液体タイプなので、餌に直接スプレーするだけで栄養を添加することができます。
15秒ほど放置し液体が乾いてから爬虫類に与えましょう。
肉食性の爬虫類が特に必要とするアミノ酸やビタミン・ミネラルを含んでいるため、定期的に添加することで生体の体色の維持・肌の健康を保つことにも役立ちます。
テトラ レプチゾル
続いてご紹介するのは、テトラ レプチゾル。
液体タイプのビタミン剤で、爬虫類の飲み水に混ぜて与えます。
カメの病気としてよく挙げられる目の腫れ(ハーダー氏腺炎)の予防や対策として使用されることも多く、ビタミンAを始めとする栄養不足に効果的です。
ジクラ アギト爬虫類万能ゼリー
続いてはジクラの爬虫類万能ゼリー。
防腐剤無添加の、国産サプリメントゼリーです。
野菜や果物を好んで食べる爬虫類向けの商品で、不足しがちなビタミンはもちろん、タンパク質やアミノ酸まで配合されています。
尿の臭いを抑える成分が含まれているのも嬉しいポイント。
普段の餌と混ぜて与えることで手軽に栄養補給ができます。
スドー ハープクラフト カルシウムパウダー
こちらはスドー ハープクラフトの、カルシウムパウダー。
爬虫類・両生類に不足しがちなカルシウムを補うための添加剤で、過剰摂取が問題になりやすいビタミンやリンを含まないタイプの商品です。
餌100gに対しパウダーを5gの割合で、1日置きに餌へ振りかけて与えましょう。
値段の割にたくさん入っているのが嬉しいですね。
ネクトン レップ
最後にご紹介するのは、ネクトンのレップという商品です。
ビタミンAを主成分として微量元素もバランス良く配合されたビタミン剤で、毎日与えることでカメの甲羅の形成、その他爬虫類・両生類の骨形成に良い結果をもたらします。
飲み水に混ぜる以外にも餌に浸して使用したり、霧吹きで生体に直接吹きかける方法でも有効に作用するようです。
まとめ:爬虫類に塩は必要?おすすめのミネラル・ビタミン剤7選をご紹介です!
飼育下にいる爬虫類たちは、野生での生活と比べると栄養不足になってしまう傾向が強く、甲羅や骨がうまく育たなかったり、病気にかかりやすくなる場合があります。
そのようなときに役立つのが、爬虫類専用の栄養剤。
飼育下で食べるものが限定されがちな生き物の不足栄養分も、サプリメントを使えば手軽に補うことが可能です。
完全栄養食であるマウスに餌付いたヘビには栄養剤の添加は不要と言われていますが、拒食を起こしたときに飲み水へ混ぜてやるなど、有効な使い道もあります。覚えておくと良いかもしれませんね。
ただし、栄養剤にばかり頼るのは良くありません。
ビタミンの過剰摂取などは生体にとって悪い影響を与えてしまうこともあるため、普段の餌とのバランスを考え適切な量の栄養を添加してやりましょう。