日本でペットとして飼育される両生類の中でも、ショップで入手しやすく可愛らしいアカハライモリは人気が高い種類のひとつです。比較的飼育しやすいイモリですが、飼育を始める前に飼育容器やろ過フィルターの有無などに加え、餌はどんなものがいいか、寿命はどれくらいか、など基本的なことを知っておく必要があります。
今回はアカハライモリとはどんな生き物なのかや、飼育方法で知っておくべきポイント、餌などアカハライモリの基本的な情報をお伝えします!
アカハライモリとは
まずアカハライモリがどんな生き物なのかご紹介していきます。
- 原産国:日本の固有種
- 全長:10cm前後
- 再生能力:あり
- 毒:あり(テトロドトキシン)
日本独自のイモリで本来は本州や四国などに分布し、北海道などには生息していなかった生物ですが、最近は故意的に分布地域から持ち込まれたケースもあるようで、外来種(ブルーリスト)として認定されています。
また都市部の開発などにより、野生のアカハライモリを見かけることは減少傾向にあり、準絶滅危惧種にもなっているほど。しかしきちんとすれば繁殖難易度が低いことや飼育しやすいことで、ペットとして日本国内や海外で人気が高いです。
アカハライモリの飼育方法
飼育がしやすいことでも有名なアカハライモリですが、どんな飼育容器が向いているかや、水温・水質はどうするかなどあらかじめ知っておくべきことは多いです。ここからは項目ごとに重要なポイントをご紹介します。
飼育容器
アカハライモリは水中にいることのほうが多い生き物なので、爬虫類向けのケージよりはアクアリウムなどで使う水槽のほうが適しています。大きさは飼育する数にもよりますが、45cm以上のものが良いとされ、4匹程度を飼育するなら60cm水槽が目安。
脱走の危険性があるのでフタは必須といえますが、空気も通るようにしたほうがいいので通気性の良いメッシュや網などをフタに利用するのがおすすめです。
水温・水質
アカハライモリに適した水温は15℃~27℃と比較的幅は広いですが、この範囲の中でも20℃前後をキープさせてあげるのがおすすめ。夏場などは気温が高くなるので水温も上がりやすくなりますが、28℃を超えたら生き物にとって危険になることも多いんです。そのため水温には気を付けてあげましょう。
水質もアクアリウムで飼育する熱帯魚などよりはうるさくない傾向がありますが、比較的きれいな水を好むので水温が高くなりがちな夏場なら3日に1回程度、水温がキープできる季節で1週間に1回程度で水換えをしてあげてください。目安としては水槽の1/3程度が理想です。
イモリの飼育にろ過フィルターは必要?
上でご紹介したように水質に特別うるさいということはないので、ろ過フィルターが必須というほとではありません。
しかし活用すれば水換えの頻度を下げられますし、新鮮な水を保てるので水中や底面式フィルターや投げ込み式フィルターなどを採り入れると、良い結果が得られやすいです。
イモリ水槽のレイアウト
水槽のレイアウトは他の両生類と同様に休憩できる陸地として、カメ用の島などを採り入れましょう。しかしそれ以上に重要なのが「水深を浅くすること」で、アカハライモリはあまり泳ぎが得意ではなく、水深が深いとそれだけ呼吸をする際、水面に上がってくるために余計な力を使う必要があるためです。
底砂も必須というわけではなく、入れる場合は口に入らないような大きめのサイズのものを選びましょう。
イモリを触ったら必ず手を洗おう!
上記でも触れましたが、フグと同じ強力な毒を持っています。
とはいえあまり毒性は強くはないようで、基本的にペットとして飼育する場合や少し触れた程度で毒が悪影響を及ぼすことはまずほとんどなく、触った後にきちんと手を洗えば問題ないので、必ず手を洗うようにしましょう。
アカハライモリの餌
飼育容器や水質など飼育するための重要なポイントをご紹介してきたところで、ここからはどんな餌をあげるのがいいのかをご紹介します。
冷凍赤虫
冷凍赤虫はショップから買ってきたものはもちろん、運よく野生のものを捕まえられた場合の餌としても適しています。入手がしやすいことに加え、コストも安いのでイモリの餌としてはもっともポピュラーなものです。
生餌(メダカなど)
アカハライモリは肉食なのでメダカやイトミミズ、小型の昆虫などもよく食べます。しかしこれらだけだと栄養バランスが偏りがちになるので人工餌もあげてみましょう。最初のうちは慣れるまで時間はかかることもありますが、慣れるときちんと食べてくれるようになります。
どの餌にもいえる話ですが食べすぎには注意。個体差はありますが、週1~2回が目安になりやすいです。
アカハライモリの寿命
アカハライモリは案外長生きな生物で、約5年以上生きるといわれています。飼育環境などがよく、きちんと上手く育ててあげられれば、10年以上はザラで、20年以上生きたというケースもあるほど。
再生能力も高いのでケガをした場合も回復力があり、多少のケガなら心配無用です。しかし腹水病などの病気にかかることもあるので、こういった場合は断食させたり両生類も診てくれる動物病院に連れて行くようにしましょう。
また脱皮もするタイプで1ヶ月に1回程度と頻度は高い傾向にありますが、あまりにも頻繁に脱皮をする場合は皮膚病にかかっているか、水が合っていない可能性もあるので、こういった場合は注意が必要です。
アカハライモリの冬眠について
アカハライモリは冬眠をする生き物ですが、飼育環境では冬眠させるのは屋外飼育をしていることや、ちゃんと餌を与えて太らせておくことなど多くポイントがあるため難しいです。
そのため基本的にはヒーターなどを使って冬眠させずに越冬させることになりますが、繁殖させたい場合はこれはNG。
アカハライモリは春になると「冬眠から覚めて繁殖行動を始める」生き物なので、冬眠しないとこのサイクルが崩れ、繁殖行動をしなくなるんです。そのため繁殖をさせたい場合はさまざまなことに注意をしてイモリを冬眠させてあげましょう。
まとめ:アカハライモリの飼育方法!餌や寿命から飼育温度、冬眠まで解説します!
日本固有種のアカハライモリは飼育もしやすく、ショップなどで売られているため入手も簡単で初心者にもおすすめできる両生類です。しかし繁殖をさせたい場合はちゃんと冬眠をさせてあげる必要があることだけは注意。
飼育容器や餌などの敷居も低いので、アカハライモリの飼育をお考えでしたら今回の記事を参考にして長生きさせてあげ、その可愛らしい姿をじっくり観察してあげましょう!
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