爬虫類ショップで販売されているヘビのほとんどはマウスに餌付けされていますが、中にはマウス以外の特定の餌にしか食いつかない個体も多く存在します。
ヘビは犬や猫などと比べるとまだ野性的な本能が残っている方で、本来の生息地で生活していた頃の食べ物に近いものを好んで食す傾向にあるのです。
今回はそんなヘビの餌に関するお話。
ヘビのタイプ別に、おすすめの餌をご紹介していきます!
飼育したいヘビに合った餌が知りたい方やヘビの拒食に悩んでいる方は、このページを参考にして餌やりをしてみてくださいね。
ヘビのタイプ別!餌選び方
ヘビのタイプを大まかに分類すると、以下の3つに分けられます。
- 陸地で生活することの多い「地表棲ヘビ」
- 樹の上で生活することの多い「樹上棲ヘビ」
- 水中や水辺に生息する「水棲ヘビ」
それぞれの生息地によって適した餌が変わってくるので、まずは餌の選び方について解説していきます。
地表棲ヘビ:冷凍マウス
まずご紹介するのは地表棲のヘビ。つまり、陸地に生息するヘビの仲間たちです。
主な種類としては、
- コーンスネーク
- シシバナヘビ
- カリフォルニアキングスネーク(カリキン)
- ボールパイソン
- ブラッドパイソン
などが挙げられます。
多少の例外はありますが、地表棲のヘビはもともとの生息地で哺乳類をメインとした小動物を捕食して生活していました。
そのため、マウスに餌付いているのであれば、基本的には冷凍マウスのみで終生飼育ができます。
樹上棲ヘビ:冷凍マウス、鳥(冷凍ウズラなど)
次にご紹介するのは樹上棲のヘビ。樹の上で生活するヘビのことで、
- グリーンパイソン
- エメラルドツリーボア
- アマゾンツリーボア
などが挙げられます。
これらのヘビは野生下では近くに寄ってきた鳥類や爬虫類をメインに捕食していましたが、販売されている樹上棲のヘビは冷凍マウスに餌付いていることがほとんどです。
しかし、飼育下の樹上棲ヘビは餌に飽きて拒食をすることがよくあるため、そのような場合は気分転換をかねて冷凍ウズラやヤモリを与えてみても良いかもしれません。
ヘビにとってマウスは完全栄養食な上にコストパフォーマンスに優れているため、せっかくマウスに餌付いているのならわざわざ別の餌を与える必要はないと言えます。
あくまでも拒食やマウスを食べないときの打開策として、ウズラなどの鳥類を与えてみましょう。
水棲ヘビ:メダカ、小赤、カエル、オタマジャクシ
最後に水棲ヘビの餌についてご紹介していきます。
一日の大半を水中で過ごすヘビということで、
- ミズヘビ
- ヤスリヘビ
- カッパヘビ
などが挙げられます。
これらのヘビは同じ水域に生息する小型の魚やカエルなどを食べて生活しているため、飼育する際には餌用のメダカや小赤を用意し、ヘビのいる水槽に数匹入れてやりましょう。
つまり、水棲のヘビは基本的に生餌を与えるということです。
餌用の生き物をあまりにもたくさん入れてしまうとヘビがストレスを感じてしまうので、1~2日で食べ切れる量を入れましょう。
ヘビがまだ幼くてうまく餌を捕らえられないような場合は、魚の尾をピンセットでつまんで与えるのもおすすめです。
ヘビに餌を与えやすくする方法
ここからはヘビに餌を与える手順について解説していきます。
給餌用ピンセットは金属製以外がおすすめ!
ヘビへの餌やりはピンセットを使って与えるのが基本です。
これは人の手のニオイを餌に付けないようにするのと、ヘビに手を噛まれてしまうリスクを防ぐ意味合いがあります。
マウスであれば腰からお尻の部分をピンセットで摘み、マウスの顔をヘビの目の前に持ってきましょう。
ヘビの前でマウスをフリフリと揺らして興味を惹くと、大抵の場合はすぐに餌をくわえ始めます。
このときピンセットの先端も一緒に噛んでしまうことがあるので、ヘビの口の中を傷つけないためにも竹やセラミック製のピンセットを使うのがおすすめです。
餌の温度に気を付けよう
マウスやウズラは冷凍のまま食べさせるのではなく、きちんと解凍してから与えましょう。
電子レンジで解凍すると焼けてしまうことがあるので、湯煎する方法がおすすめです。
<冷凍マウスの解凍方法>
- 冷凍庫から取り出したマウスをビニール袋に入れ、空気を抜きます。
- 耐熱性の容器(タッパーなど)に60℃程度のお湯を入れ、袋に入れたマウスを浮かべます。
- お湯が冷めたら新しいお湯を追加しながら解凍していきます。
- 袋越しにマウスの腹を触り、凍ってなければ完了です。
お湯に浮かべる時間はマウスの大きさや量によって前後するため、始めはこまめに様子を見ながら感覚をつかみましょう。
ピンクマウス2匹で4分、アダルトマウス1匹だと20分程度で解凍できます。
熱湯で湯煎すると茹で上がってしまいますので注意してくださいね。
ヘビは視力が悪い代わりに温度を察知する能力に長けているので、餌の存在も温度を頼りにして把握します。
マウスの体温は38℃前後なので、温かいうちにヘビに与えてやりましょう。
非接触温度計などを利用すると、お湯の温度や解凍したマウスの温度が瞬時にわかるので大変便利です。
餌のサイズはこまめにチェックしよう
餌のサイズは大きすぎると吐き戻しの原因になり、小さすぎると顎の筋肉が発達せずに頭部の小さいヘビになる場合があります。
餌やりの度にヘビにとって適切なサイズかどうかを見極め、成長に合わせてちょうど良いサイズに変更しましょう。
目安として、「ヘビの胴でもっとも太い部分と同程度の太さのマウス」が適切なサイズだと言われています。
餌を呑み込む体勢に入ってから1分以内に完食するようであれば、マウスをサイズアップしたり与える数を増やすなどしてやりましょう。
もちろん目安より小さい餌を好む個体も存在するので、日頃からよく観察し見極めることが大切です。
ヘビが餌を食べない時は
拒食、つまりヘビが餌を食べない理由としては、
- 脱皮前である
- ストレスを抱えている(好みの餌ではない)
- 体調を崩している
などが考えられます。
ヘビはそもそも食に対して執着がない個体が多いため、季節や気分で急に1ヶ月以上の拒食をすることも珍しくありません。
まずは温度や湿度管理などを徹底し、ヘビにとって過ごしやすい環境に整えて静かに見守りましょう。
ただし病気を抱えている場合は早急な処置が必要のため、病気による拒食がどうかの見極めはかなり重要です。
以下の記事ではヘビの病気について詳しく解説していますので、是非お役立てくださいね。
まとめ:ヘビのタイプ別!おすすめの餌と与え方!マウス・ウズラ・小赤など!
販売されているヘビのほとんどはマウスに餌付いていますが、中にはもともとの生息地で食べていた鳥類や魚類を好んで食すヘビも多く存在します。
ショップで管理されていたときにはどんな餌を食べていたのかをよく確認し、適切なサイズの餌を与えましょう。
ペットスネークの代表種でもあるコーンスネークの飼い方や、拒食の原因にもなりやすいヘビの病気「マウスロット」について解説した記事もありますので、ヘビをお迎えする際はこちらのページもご覧になってみてくださいね。
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