ペットとして飼育されている爬虫類といえばヒョウモントカゲモドキやグリーンイグアナを真っ先に思い浮かべる人は多いでしょう。しかし最近はヘビも人気があります。特に毒もなく大人しいコーンスネークは、飼育環境への適応力が高く、市販の餌用マウスの食いつきもよい傾向にあり飼育しやすいだけでなく、愛らしい顔つきで女性にも人気が高いです。
今回はコーンスネークの性格や寿命などの特徴や、ヘビ飼育初心者にオススメな理由などから、飼育費に次用なアイテム、餌などについてお話ししていきます。
コーンスネークとは
爬虫類飼育を考えている初心者さんは、コーンスネークがどんなヘビなのか、まったく想像できないという人もいることでしょう。そこでまず最初に、コーンスネークとはどんなヘビなのか、性格や寿命などから飼育するのに最適な湿度や温度などについてお話ししていきます。
コーンスネークの特徴
コーンスネークの基本的な情報は以下のようになります。
- 生息地:北米
- 体長:100~150cm
- 寿命:野性環境では6~10年、飼育環境では10~15年
- 気温:昼間:22~28℃/夜間18~21℃
- 湿度:60~70%が目安
野性環境にいるものは草原や森林といった植物の多い場所が好きな傾向にあり、地面を這うことが多いですが、木に登って餌をとることも。半夜行性で夕方になると餌を探して動き出します。
コーンスネークは毒を持っていませんが、動きが素早いため手に餌のニオイなどが付いていると咬まれてしまうこともあります。しかし基本的にはとても温厚な性格のヘビなので、よほどのことがない限り危害を加えるために人間に噛みつくことはありません。
野性のものは冬になると冬眠しますが、飼育環境下では繁殖を考えていないのであれば無理に冬眠させる必要はありません。湿度管理は重要で、湿度が足りないと脱皮不全や皮膚病などにかかることが多いため、しっかりと湿度管理をしてあげましょう。
初心者におすすめの理由
初心者にコーンスネークがおすすめな理由は、やはりその飼育のしやすさです。ヘビは意外に神経質な一面があり、飼育環境が変わっただけでも餌を食べなくなってしまうこともありますが、コーンスネークは環境に対する準応力が高いという特徴があるんです。そのため環境が変わった後でも餌を食べてくれやすいですし、市販の冷凍ピンクマウスの食いつきもよいです。
繁殖も比較的容易で、世界各地にいるコーンスネーク愛好家によってさまざまな色・柄のコーンスネークが生み出されているので、自分の好みの色や柄のものを探すことができるというのもおすすめなポイント。
爬虫類はブラックライトなど熱帯魚以上に飼育用品に初期費用が掛かってしまいがちですが、コーンスネーク飼育には照明が不要で器具一式揃えても、2~3万円ほどと、爬虫類の中でも初期費用が比較的安く済ますことができるのも、初心者さんにおすすめな理由のひとつにあげられます。
コーンスネークの飼育設備
コーンスネークの特徴などについてはお判りいただけたでしょうか。ここからはコーンスネーク飼育に必要な器具について説明していきます。コーンスネークの生体は、8,000円前後で販売されていることが多いですが、品種などによって大きく上下するので、事前にネットで希望品種の価格を調べておきましょう。
爬虫類は飼育時に照明を必要とするものが多いですが、コーンスネーク飼育では照明は無くても大丈夫です。
飼育ケージ
飼育ケージは高さよりも横幅があり、高さが低いものがおすすめ。以下の内容なども考慮して選びましょう。
フタがあるもので脱走しにくいもの
意外にヘビは脱走するのが得意で、飼育容器のフタを閉めていたにも関わらず逃げてしまったという話はよくあります。金網タイプの場合は、コーンスネークが通り抜けられない目の小さいものを選びましょう。
体長に合わせて余裕のある大きさ
1m前後であれば、60cm程度のケージでも十分ですが、アダルトになると100~150cmになるので、体長に合わせたサイズのものを選びます。ベビーサイズの場合は、プラケースなどの小さなサイズの飼育ケースでも問題ありませんが、環境にゆとりを持たせてあげたいなら、爬虫類用のケージがおすすめ。
前開きタイプのもの
コーンスネークは頭上から触られたりするのを嫌う傾向にあるので、前開きタイプのものを選びましょう。
通気性の高いもの
湿度が高くなりすぎると床材も常に湿っている状態が続くので、フンなどの汚れからカビが発生してしまうことがありますし、通気性が悪いと空気がこもって湿度が高くなってしまいがち。コーンスネークを健康に育て、清潔な環境を維持するためにも通気性の良いものを選ぶのもポイントです。
ケージの掃除方法に関しては、こちらの記事を参考にしてくださいね。
床材
コーンスネークをはじめとするヘビは、基本的に底材の中に隠れる習性あります。ウッドチップやハスクチップなら、コーンスネークが隠れることができますよ。そのほかにも新聞紙やペットシーツの使用も可能。
ウッドチップなどを使用するときは、コーンスネークが誤飲しても問題のない細かいものを選ぶのがポイント。またどの底材も汚れたときには清潔な環境を維持するために、すぐに掃除する必要があります。
ヘビ飼育時の床材に関しては、こちらの記事で詳しく解説していますよ!
ヒーター
秋~春先くらいまでは、ケージ内の温度を一定に保つためにヒーターを使用しますが、ケージの底面に簡単に設置できるパネルヒーターがおすすめ。パネルヒーターはケージのサイズに合わせたものを用意しますが、基本的にケージのサイズが大きくなるとパネルヒーターも大きなパワーのあるものを使う必要があります。
大型の爬虫類用ケージを使用していてなかなか温まらない場合は、上部に設置するタイプのヒーターやクランプライトなどを併用して温めてあげましょう。
温度・湿度計
ケージ内の気温や湿度は見た目だけではわからないもの。そのためケージ内の温度や湿度が適切かどうかを知るために、温度計や湿度計を設置してあげましょう。デジタル式で温度・湿度両方計測可能なタイプのものだとケージ内がすっきりしますよ。
水入れ
ヘビは水を飲みますが、ケージ内の乾燥がひどいときや脱皮時に体全体を水につけることが多いです。ヘビが脱皮時に水に浸かるのは、体全体を水につけることで、古い皮を柔らかくして脱皮しやすくするため。
そのため水入れは飼育しているコーンスネークの体全体が浸かることのできる大きなサイズのものを用意してあげます。
どうしても水入れをひっくり返してしまうようなときは、100円ショップなどで販売されているプラスチックのタッパーのフタに、コーンスネークが通ることのできる丸い穴をあけて、タッパーの中に水をいれておくとよいですよ。タッパーを使用する場合は、別で水入れを用意しなくても大丈夫ですよ。
シェルター(隠れ家)
飼育ケージの中には、コーンスネークが落ち着くことのできるシェルターも用意してあげましょう。コーンスネークは、体が何かに触れていると落ち着きやすいので、なるべく体にピッタリサイズの大きさのものを選ぶのがポイントです。
コーンスネークにおすすめの餌はピンクマウス!
ヘビというと「生餌」というイメージを持つ人が多いかもしれませんが、コーンスネークは市販されている冷凍のマウスで十分。餌の大きさはベビーのうちはピンクマウス、1年ほどたったイヤリングは体格に合わせてファジーやホッパーを与えます。アダルト固体には、アダルトマウスやラットなどが適切な大きさ。
与えるマウスの大きさの目安ですが、コーンスネークの胴周りと同じくらいのサイズがよいといわれています。
冷凍マウスを与えるときは、パッケージから必要な量を取り出して、自然解凍か湯煎で解凍したものを、ピンセットで口元に運びます。与えるときは飲み込みやすいよう、マウスの頭から食いつかせるとよいですよ。
餌は毎日与える必要はなく、ベビー~ヤングは週2回、アダルトなら週1回程度でOKです。
まとめ:【初心者向き】コーンスネークを飼育してみよう!設備から餌まで解説です
コーンスネークは温厚な性格で毒もなく、環境適応力が高いヘビです、冷凍マウスへの食いつきもよいため餌にも困ることがなく、爬虫類飼育初心者や、ヘビ飼育初心者におすすめ。
他の爬虫類のように照明を必要としないため、ケージなどの飼育器具の初期費用も比較的安く済むなど、飼育を始めやすいというのも初心者におすすめな理由のひとつ。
ただし脱走防止対策などはしっかりとしておかないと、頭で簡単にフタを押し開けてしまったりするので、注意してくださいね。
色や柄でさまざまな種類に分類されているので、お気に入りの1匹を見つけてお迎えしましょう!
爬虫類好きのライター集団です。
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