ヘルマンリクガメやヒョウモントカゲモドキといった爬虫類をテラリウムやアクアテラリウムでペットとして飼う人が増えています。しかし爬虫類を飼育する場合、次の理由からケージや水槽に流木も入れることも多いです。
- 樹上棲生体の必需品
- 見た目が良くなる
- ケージ内の温度調節ができる
今回は爬虫類に流木がおすすめな理由や、入れる前の下準備として欠かせない殺菌・アク抜き処理の方法、さらにはおすすめの流木5種をご紹介します。
爬虫類に流木がおすすめな理由
ケージや水槽で爬虫類を飼う場合、流木を一緒に入れるのがおすすめな理由として主に3つのポイントが挙げられます。ここからはそのポイントについて詳しく見ていきます。
樹上棲生体の必需品!
爬虫類の中でもヒルヤモリやカメレオンといった樹上棲生体は、その名前のとおり樹の上で生活をし地面に降りることもあまりないので、これらの爬虫類を飼う場合には流木がないと始まりません。
樹上棲の爬虫類を飼育する場合はいい環境で過ごさせるためにもちゃんと流木を入れてあげてくださいね。
見た目が良くなる!
水槽の中に陸地を作る「アクアテラリウム」では観葉植物でレイアウトを作る人もいますが、流木を採り入れることでより自然の風景を切り取ったかのような見た目にすることができます。また流木は枝分かれしているものや平らなものなど見た目もさまざまなので、飼育する爬虫類に合わせるのはもちろんですが、レイアウトのアクセントになることも加味して選ぶことで見た目をよくできるんです。
ケージ内の温度調節ができる!
流木を入れることで流木がある部分とない部分で高さを出すことができます。これによりケージ内や水槽内で温度差を生みだし、生体ごとにより快適なポイントで体を休めることが可能になるんです。樹上棲生体ではなく水棲ガメなどを飼育する場合でも、アクアリウムで流木を用いるのと同じ扱いで役立つのでおすすめです。
流木の殺菌・アク抜き処理方法
流木を入れる前に行わなければいけないこととして「殺菌・アク抜き」があります。川や森など外で拾ってきたものを使う場合はもちろんですが、ショップで買う場合でも「アク抜き済」となっているもの以外を購入した場合は必ずこの処理をしないといけません。
もししない状態で使った場合、アクアテラリウムでは水が濁ったり水質が悪化する原因になるほか、アクの中に含まれるタンニンが爬虫類の皮膚を刺激してしまうことも。
そのためこれからご紹介する殺菌・アク抜き方法をしっかりと確認して、処理をしてから入れてあげるようにしてください。
一番おすすめ!煮沸でアク抜きと殺菌!
大きな鍋でお湯を沸かして、その中に流木を入れる煮沸処理は一番手軽にアク抜きと殺菌の両方を同時に行える方法です。やり方としては流木がつかる程度の水を沸騰させたら、手洗いをした流木を入れて煮込むだけ。
流木のサイズにもよりますが30分~1時間程度煮れば大丈夫なことが多いですが、サイズが大きい場合やちゃんとアクが取れてるか確認したい場合は煮ることで茶色になるお湯を一回捨ててまたお湯を沸かし、そこに流木を入れて煮たときに色が変わらなければ大丈夫です。
煮ることで殺菌ができるうえ、流木の中に含まれる空気もどんどん気泡で出てきて鍋の中に沈んでいくようになるので、アクアテラリウムなどで水に流木を沈めたいときにもおすすめ。
ある程度大きいサイズの鍋が必要になりますが、普段使いする鍋だと煮沸処理後に色がついてしまう事もあるので、捨てる寸前のものや100均などで安く買える鍋を煮沸処理用として用意しておくといいですよ。
水に漬けてアク抜きする
使っていない水槽やバケツなどに流木が完全につかるくらいの水を張って、その中に流木を鎮めておくことでアク抜きをする方法です。
煮沸処理のように火を使わずにすみますし、鍋を用意する必要もないといったメリットもありますが、とにかく時間がかかるのが最大のネック。ただ放置すればいいというわけではなく、徐々にアクで水が茶色になるのでときどき水を変えてやる必要もありますし、サイズによっては1~3、4カ月かかることもあるので急ぐ人には向いていません。
水に浮いてしまう流木もあるので、石などを載せて浮いてこないようにする必要もありますよ。
アク抜き剤・重曹を使う
アク抜き剤や重曹は水に漬ける場合でも煮沸でも使えるもので、使わないときより早くアク抜きが可能になるのがポイント。アク抜き剤の成分はほぼ重曹とされているので、掃除や料理に使っている重曹がある場合はわざわざ用意する必要がないのも魅力です。
水に漬ける際に使う場合はできるだけ毎日水替えをして、その都度重曹を入れてあげるとペースがより早くなります。
いずれの方法を採り入れるにせよ、実際に水槽やケージに入れる前にはしっかりと乾燥させてからレイアウトをするようにしてください。
流木の殺菌・アク抜きについてもっと知りたい人はこちらの記事も確認してみてください!
爬虫類におすすめな流木5種!
爬虫類と一緒に流木を入れるべき理由や、流木を使う際に必要となる殺菌・アク抜き方法をご紹介してきたところで、ここからは爬虫類におすすめな流木を使い方も合わせてご紹介していきます。
枝状流木(ブランチウッド)
枝状流木はその名のとおり細かく枝分かれしている流木で、ヒョウモントカゲモドキや小さめのカメレオンなどサイズが小さい樹上棲生体のレイアウトにも使いやすいです。
ショップで買う場合は何本かがセットになって売られていることもあるので、大きな塊状流木と組みあわせてもよし、枝状流木を複雑に組み合わせてもよし、とレイアウトはもちろん生体の行動範囲を広げるための組み合わせもできます。
アクアテラリウムで使う場合枝がとがってたりすると、生体を傷つけてしまう可能性もあるので、怪しい部分はカットしたりヤスリでなめらかにするのがおすすめ。
切り株型流木(スタンプウッド)
木の根っこ型などの形をしたスタンプウッドは同じ形をしたものがほとんどないので、置くだけでオリジナリティのあるレイアウトにできるアイテムです。
形がしっかりしているので水に沈めやすいものも多く、カメなどの水棲爬虫類にも使いやすいのもポイント。爬虫類の隠れ家にもできますが、他の流木と組み合わせる場合は少し工夫が必要になるので注意です。
ホーンウッド
枝状流木よりも太さが太く、どちらかというと幹に近い流木がホーンウッドで、ゴツゴツした印象をレイアウトに加えてくれます。枝状流木と組み合わせて使うことも多く、樹上棲生体の居場所として使われることも多いです。
塊状流木
流木としてポピュラーに売られているもののひとつで、さまざまな形をしているのが特徴です。大きさが40cm以下のものが多く、アクアリウムではウィローモスのスペースやエビなどの隠れ家にも使われています。樹上棲生体の隠れ家や日陰、木登り用のアイテムとしても使えますし、他の流木と組み合わせてアクセントにするのもおすすめ。
大型流木
圧倒的な存在感を持つ大型流木はトカゲやカメなど大型の爬虫類を飼うときに用意しておきたいアイテムです。アクアテラリウムで採り入れることで、自然に近い見た目を演出することにも役立ちます。自分で処理するのが大変なため、ショップなどで購入するのが一般的ですが品質の良し悪しが及ぼす影響が大きいので、値段は張っても品質が良く、きちんと処理がされているものを選ぶようにするのがおすすめです。
まとめ:【爬虫類と一緒に入れる流木】おすすめ5選!殺菌・アク抜き方法も解説
爬虫類をテラリウムやアクアテラリウムで飼育する場合には、カメレオンのような樹上棲生体には必須ですが見た目をよくできる点や、温度調節ができるといったことからも流木を一緒に入れてあげるのがおすすめ。
自分で殺菌・アク抜きをする場合は煮沸処理をしたり、水に漬けておくといった方法がありますが、自分で処理をするのが難しい場合は「アク抜き済」や「沈水タイプ」とされている商品を選ぶといいですよ。
すでに爬虫類を飼っている人はもちろん、これから爬虫類の飼育を考えている人は今回の記事を参考にして、ぜひ爬虫類に合った環境で飼育してあげてくださいね。
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