爬虫類の人工フードは栄養バランスがいい!人工餌のタイプと注意ポイント

爬虫類を飼育するとき、餌は生餌か冷凍ものじゃなきゃダメと思い込んでいませんか?

ひと昔前は食品加工技術などが今よりも劣っていたため、冷凍品や生餌で飼育することが一般的でした。しかし現在は食品加工技術の発達にともない、爬虫類用の人工飼料が開発され販売されています。そのため生餌が苦手で飼育できなかった、という人でも飼育しやすい環境が出来上がっているんですよ。

人工フードには『固形』・『練り餌(ゲル)』タイプがありますが、人工フード慣れしていないと食べてくれない・慣れると飽きてしまうことがあるといったデメリットもあるんです。

今回は爬虫類の人工フードについてお話ししていきます。

爬虫類の人工フードとは

爬虫類の人工フードは、金魚やメダカ、熱帯魚やハムスターなどの人工飼料などと同じです。しっかりと爬虫類について研究し、必要な栄養素を把握して作られており、昆虫やマウスなどの形状ではなく、粒状やゲル状なので生餌などに抵抗がある・苦手という人でも与えやすいですよ。

トカゲの餌についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

バランスの良い総合栄養食!

「人工フードは特定の栄養素に特化した商品しかないんじゃ?」と思っている人もいるかもしれませんね。爬虫類用の人工フードはメーカー各社が独自に爬虫類の生態や嗜好・成長についての特徴などを研究し、健康に育てるために必要な栄養素とバランスを計算して作られているんです。

そのためコオロギやピンクマウスなどばかり与えるよりも、栄養バランスが良い餌なんです。爬虫類全般に向いているものだけでなく、レオパなど特定の品種に対して特化している人工フードもあります。

口内を傷つけにくい

コオロギなどの生餌や冷凍餌を与えていると、たまに餌の脚などで爬虫類が口腔内をケガして、そこから細菌感染してしまいマウスロットが発生することもありますよね。

人工フードはペレット状やゲル状なので、爬虫類の口腔内を傷付けることがありません。普段の餌としてだけでなく、病気で弱っていたり、口腔内の治療中で生餌・冷凍餌を食べにくいときなどにもおすすめ。

また人工フードは生餌などと比べると、保管方法も湿気がない場所で保存容器に入れておくだけと簡単なうえ、餌から病気に感染することもないというメリットもあります。

マウスロットについてはこちらの記事をご覧ください。

人工飼料のタイプ

爬虫類用として製造・販売されている人工フードは、『固形飼料タイプ』・『練り餌(ゲル)状タイプ』がありそれぞれに特徴がありますが、同じ種類でも1匹ごとに嗜好は異なるので自分の飼育している爬虫類が食べるかは実際に与えてみないと分からないという点は注意してくださいね。

固形飼料タイプ

固形タイプの人工フードはペレット状で大きさも爬虫類の口に合わせてあるため、そのまま与えたり、2~3分お湯や水に浸して軽くふやかして与えるだけとお手軽です。ふやかすと食べてくれずそのまま与えたほうが食べるということもありますが、水分補給も一緒にできるのでなるべくならふやかして与えたいところ。生餌と比べると高たんぱくな商品もあります。

ジェックス レオパブレンドフード

ジェックス レオパブレンドフード 60g

ジェックスの『レオパブレンドフード』はレオパの食性をしっかりと考慮して作られている高たんぱくな固形飼料。アメリカアブの幼虫の粉末が約47%も含まれており、ビタミン・カルシウムなどの栄養素を配合しています。

与え方も必要な分だけ取り出して25度前後のぬるま湯でふやかすだけとお手軽ですし、ふやかしたときの形崩れが気になるのであれば、ぬるま湯をスプレーでかけることで、崩れにくく与えやすいです。レオパ専用となっていますが、昆虫食性のあるほかの爬虫類にも与えることができますよ。

ビバリア レップカル フトアゴヒゲトカゲフード

ビバリア レップカル 成体フトアゴヒゲトカゲフード 226g

ビバリアの『レップカル』はフトアゴヒゲトカゲ用のフードとして販売されていますが、グリーンイグアナなど他のトカゲにも与えることができますよ。

ビタミンD3とカルシウムが配合されていて、基本的な餌の与え方は水やフルーツジュースなどでふやかして与えるだけです。

幼体・成体用どちらも実際に購入して与えている人たちの間では、他の人工フード商品は食べてくれなかったのに、このフードは食いつきがよいという口コミが多いです。

ペットフードならではの独特な臭いは他商品と比べるとやや弱めで、排泄物のニオイも生餌などと比べるとやや弱くなるので、臭いが気になるというときに与えるのもおすすめ。

練り餌(ゲル)タイプ

練り餌(ゲル)タイプの人工フードは、ペースト状になっていたり粉末のものに水分を加えてペースト状にしてから与えます。最初からゲル状のものは必要な分だけ容器から取り出して与えますが、保存期間は開封後約1ヵ月が目安。

冷蔵庫で保管しているときは、与える30分~1時間くらい前に取り出し常温に戻してから与えたほうが食いつきがよいですよ。

キョーリン レオパゲル

「キョーリン ヒカリ (Hikari)  レオパゲル 60g 」 3個セット

キョーリンからレオパ用として販売されている『レオパゲル』。この商品もミルワームなどの昆虫食性のあるトカゲやヤモリ全般に与えることができます。キャップ形式なので保管もしやすいですよ。

栄養バランスが良いだけでなく、フンの色形がきれいになった、食いつきがよくなったという口コミも多い商品ですが、好き・嫌いは飼育している爬虫類によって異なります。容器から搾りだすだけですが、与える爬虫類の口に入りやすいよう、小さくちぎって丸めてあげたほうが食べやすいです。

レパシー (REPASHY)スーパーフード グラブパイ

レパシー(REPASHY)スーパーフード グラブパイ(170g)ゲル状フード【その他】

レパシー(REPASHY)の『スーパーフード グラブパイ』は爬虫類全般に使用可能です。粉末状で販売されており、与えるときにお湯を混ぜて常温まで冷めると少し硬いゼリー状になるゲル状の人工フードなんです。爬虫類の大きさによっては、与えるときに小さくカットしてあげないと食べにくいことがありますが、好きな分量だけ作れます。

冷めたときの硬さはお湯の量で加減できるので、最初は適量を見極めるのが大変かもしれませんが、ゲル状だと食べないときは、多めの水で溶いたうえで他の餌に混ぜたり振りかけて与えることもできます。

人工飼料の注意ポイント

与え方が簡単・保管方法も楽とメリットの大きい人工フードですが、『食べない可能性がある』・『飽きてしまうことがある』といった大きなデメリットも存在します。ここからは人工飼料を与えるときの注意点についてお話ししていきましょう。

慣れていないと食べない可能性がある

人工ふ化させたり養殖しているものは人工フードに慣れている状態で販売されていることも多く、人工フードがメインでの飼育が簡単なケースが多いです。しかしワイルド種は生餌にしか興味を持たない・食べないといったケースが多いので、人工飼料を与えようと思っているときは友人や知人などから少し分けてもらって与えてみたり、商品サンプルなどを与えて様子をみることをおすすめします。

飽きてしまうことがある

他の餌から人工フードに慣れてきたと思っても、気を抜いてはいけません。餌付いてきたかなと思ったころに、人工フードに飽きてしまって急に食いつきが悪くなったり、見向きもしなくなることも多いんです。

このようなときに無理に人工飼料を与えようとすると、拒食症を引き起こしてしまう恐れがあります。急に食いつきが悪くなったときは、一度病気やケガなどがないかをチェックしたうえで、生餌や冷凍餌などに替えてしまったほうがよいでしょう。

体調に問題がない場合には、生餌などを与えつつおやつ程度に与えると食べてくれることが多いですよ。

まとめ:爬虫類の人工フードは栄養バランスがいい!人工餌のタイプと注意ポイント

昆虫などの生餌や冷凍餌が苦手という人でも気軽に保管し与えることのできる人工フードは、固形と練り(ゲル)タイプの2種類がありますが、必ずしも食べてくれるというものではありません。

飼育している爬虫類は同じ種類でも個性があり、嗜好も異なることが多いので食べてくれないこともありますし、ワイルド種など生餌しか食べない場合は、人工餌に慣れにくい・慣れても飽きてしまうということはよく起こります。

他の餌から人工フードに切り替える場合は、毎回与えるのではなく少しずつ人工フードを与える回数を増やしたり、与え方を工夫するようにしましょう。