リクガメは文字どおり完全に陸地で生活しているカメで、30cm以上に成長する種類が多いという特徴があり、餌は小松菜やモロヘイヤといった植物。餌が葉物で長生きするということから、女性にも人気があり爬虫類初心者でも比較的飼育がしやすくおすすめの品種は次の4つ。
- ヘルマンリクガメ
- ギリシャリクガメ
- ヨツユビリクガメ
- パンケーキリクガメ
リクガメの飼育にはケージのほか餌とライト、底材が必要になります。
今回は今回は爬虫類・リクガメ初心者にもオススメのリクガメの紹介と、飼育位必要なアイテムと費用についてお話ししていきます。
リクガメとは
まずはリクガメについて基本的なことを知りましょう。リクガメはアフリカ大陸や北米、アジアなど熱帯~温帯地域に生息している陸上生活をしているカメ。最も古いリクガメは約2億年前から地球上に生息しているといわれているんですよ。
特徴と生態
リクガメのほとんどの種類は甲羅の長さが30cm以上になるものが多く、甲羅の模様が幾何学的でとても美しいものが多いです。飼育するときにはかなり広いスペースを必要とするので、ペットとして飼育するのであれば、やはり小型の品種がおすすめ。
肢は硬い鱗で覆われていて水棲のカメのように水かきはなく代わりに鋭い爪が付いていて、鳥のくちばしに似た口をしていますが、これは食べ物をかみ切るのにとても適しているんです。
リクガメは一度ひっくり返るとなかなか起き上がることができない・比較的高温や乾燥に強いという特徴もありますが、基本的にどの種類もとても温厚な性格で、人や他の生き物に危害を加えることもありません。トイレは決まった場所でする習性がないため、犬や猫のようにしつけすることはできません。
リクガメの寿命
一般的にカメは長寿なことで知られていて水棲のアカミミガメは40年以上、クサガメで60年以上の寿命といわれていますが、一般家庭で飼育されるリクガメの寿命については飼育状況がよければ30~50年くらいといわれています。
ライトは必須アイテム!
リクガメの甲羅をしっかりと作り健康的に成長させるためには、紫外線が必要です。そのため飼育するときには専用の紫外線ライトを使用しなければなりません。
またスポットライトなどで、自然に近い光でホット(バスキング)スポットを作ってあげましょう。冬場など気温が低くなる季節などは、ケージ内を温めるためにヒーターや保温球が必要です。
初心者におすすめのリクガメ4選
それではここから、爬虫類飼育・リクガメ飼育初心者さんにおすすめのリクガメを4種類ご紹介!
ヘルマンリクガメ
ヘルマンリクガメは西ヨーロッパに生息しているものは甲羅が20cm前後と小型ですが、東ヨーロッパ原産の種類だと35cmほどに成長します。ペットとして飼育されているものは20年前後の寿命のものが多いです。しかし飼育環境がよければ50年生きることもあり、イギリスで飼育されていたものは110年生きていたという記録が残っています。
見た目がとてもきれいなリクガメで、丈夫で飼育しやすいですよ。
ギリシャリクガメ
ぱっと見ヘルマンリクガメに似ているという特徴がありますが、甲羅の模様が独特の「ギリシャ模様」になっているという特徴があるリクガメ。繁殖がしやすく最近はブリードされたものが販売されるようになり流通が多いため、販売価格が安めになっています。
ショップでは10cm以下のベビーサイズのものを販売していることもありますが、ベビーは温度・湿度変化に弱いという特徴があるので、なるべく大きいサイズのものを購入することをおすすめします。
ヨツユビリクガメ
ヨツユビリクガメは「ロシアリクガメ」や、「ホルスフィールドリクガメ」という名称でも知られているリクガメです。ロシアだけでなく西アジアや中国などの砂漠地帯や草原などに生息しています。
あまり知られていませんがカメの前足の指の数は5本なのですが、肢の指が4本しかなく、他のリクガメと比べると甲羅が平べったくなっているタイプで、オレンジ色を基本に黒い斑点がは入っているという特徴があります。
体の大きさは20cm程度で、寿命は20~40年ほどになり飼育難易度は低いですよ。
パンケーキリクガメ
パンケーキリクガメは甲羅が柔らかく平らになっているだけでなく、敵に襲われると石などの隙間に逃げ込み甲羅を膨らませて出れないようにするというとても珍しい習性を持っています。カメの中では珍しく立体移動を得意としていて、岩などの段差の大きなところでも上手に上ることができるんですよ。
大きさは18cm前後と、ペットとして飼育されているリクガメの中では最小サイズの品種で、寿命は平均すると20年ほどになります。
リクガメに必要な設備と費用
リクガメの特徴や習性、リクガメ飼育初心者におすすめの品種をご紹介しました。
ここからは実際にリクガメを飼育するときに必須な設備や、大まかな費用についてみていきましょう。
リクガメに最適な飼育ケージ
リクガメの飼育にはライトが必要ということを先にお話ししましたが、当然ケージも必要になってきます。アカミミガメなどのように水場は必要としませんが、購入後に大きくなることを考えると最初から大きなケージで飼育してあげましょう。基本的に甲羅の長さの4~5倍は必要となります。
メンテナンスのしやすさも重要視したいポイントで、普段の掃除のしやすさなどを考えると、傷のつきにくいガラス製のフロントドアタイプのものがおすすめ。
カメの飼育ケージに関してはこちらの記事も参考にしてくださいね。
餌やりのときにケージの外に出して餌をあげるひともいますが、ケージ内で餌を与えるのであれば、餌入れは必須です。また飲み水用の水入れも用意してあげましょう。
リクガメの餌の種類と費用
リクガメは草食性でオオバコやタンポポ、ハコベ、キャベツや青梗菜、小松菜などといった葉物から、リンゴやバナナなどの果物が主食になります。しかし野菜や果物ばかりだとカルシウムが不足してしまうので、週に1度くらいのペースで餌にカルシウム剤を添加してあげます。市販のリクガメ用のフードは栄養バランスをしっかりと考えられているので、栄養が偏りにくいです。
丈夫な甲羅を作り、健康的な体にするためにはビタミンやカルシウムなどの栄養分は必須なので、不足しているなと思ったら、市販されているイオンチャージやカルシウムチャージといったものをプラスして栄養を補いましょう。
基本的にベビーのうちは1日1~3回、それ以降は1日に1回餌を与えます。
リクガメの大きさでも食事量が変化しますし、最近は野菜や果物の値上がりなども多いです。季節などによっても価格が大きく変わることがありますし、野菜を自家栽培しているなどかによってもエサ代は変わってきます。
高い時期で考えるとサイズの小さな種類で1ヵ月1,500~2,000円程度、サイズの大きなものになると1~数万円を見ておいたほうがよいでしょう
光熱費
リクガメ飼育で気になる費用はエサ代とともに電気代も気にする人が多いですよね。この電気代も季節に変動が大きく、飼育環境によっても差額が大きいんです。日光を上手に利用して飼育している環境であれば、紫外線ライトを使うことも少ないですし、北海道と九州では地域での気温差があるため、保温ライトを使用する時間なども異なってきます。
また電気会社と契約している料金プランによっても変動があり、おおよその金額になりますが、50Wの保温球と50Wのバスキングライト、さらに27Wの紫外線ライトを併用すると月平均2500円くらいになります。
床材
リクガメ向きな床材は、「ウォールナットサンド」や、「ヤシガラ」がおすすめ。ウォールナットサンドは3kgで1,000円前後、爬虫類用のヤシガラは安いもので800円くらいから販売されています。
シェルター
リクガメも常時人に見られているとストレスを感じてしまいます。特にショップから購入した直後は、慣れない環境で不安で一杯なので、甲羅もしっかりと入るサイズのシェルターを用意してあげましょう。シェルターはサイズにもよりますが安いものだと1,000円くらいから購入可能です。
まとめ:初心者でもリクガメ飼う方法!おすすめの種類から温度・費用などを解説!
リクガメは爬虫類飼育・カメ初心者にもおすすめな飼育しやすい生き物ですが、しっかりと特徴を把握し必要な機材をそろえる必要があります。
ケージなどのほか当然リクガメを購入する費用もプラスされるので、初期費用は割高になることが多いでしょう。餌に関しても生野菜や果物を中心に与えるのであれば、時価になるため季節などによっては毎月の出費が高くなってしまうことも。なるべく餌代を抑えたいのであれば人工餌に慣れさせ、おやつなどで果物や生野菜を与えるのもよいですよ。
長寿な生き物ですが、栄養の偏りで甲羅をきちんと作ることができなかったり、病気などになったときはすぐに獣医に相談しましょう。最後まできちんと責任をもって飼育することを決めてから購入してくださいね。
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