カメの飼育では、市販の人工飼料と野生本来の生餌を組み合わせて与えることが非常に重要です。
人工飼料は栄養バランスに優れていて、保存もしやすいため、餌付いているならば人工餌をメインに与えたくなりますが、同じ餌ばかりだとカメが飽きて食欲が落ちてしまうことも少なくありません。
特に肉食性の強い水棲カメは、動く獲物に反応しやすい傾向があるの、定期的に生餌を与えて食欲を刺激してあげるのがおすすめです。
ただ、だからと言って生餌ばかり与えていると、今度は栄養の偏りが出て体調を崩してしまったり人工飼料を食べなくなってしまったりといったリスクがあるため、バランスを意識して給餌をしましょう。
この記事では生餌が必要なカメ5種類と、生餌を与えるメリットや必要性、さらに保存・ストック方法まで解説します。
カメを飼育している方は、ぜひ参考にしてみてください。
生餌が必要なカメ5種

同じカメの仲間でも、食性や習性によって生餌の必要頻度が変わります。
ここでは、飼育する上で特に生餌を積極的に取り入れたいカメを5種類ご紹介します。
それぞれ好む餌が異なるため、飼っているカメの特徴をしっかり把握した上で、適した生餌を選ぶことが大切です。
ミドリガメ

ミドリガメは、何でもよく食べ人工飼料への餌付きも良いことから、人工餌だけで飼育をしているという方も多いでしょう。
しかし、元々の食性は肉食性が強めの雑食性であるため、実は生餌との相性もとても良いです。
特に成長に多くの栄養を消費する幼体の頃は、赤虫などのタンパク質が豊富な生餌をおやつ感覚で定期的に与えるのがおすすめで、成長期にしっかりと栄養を摂取した個体は体が大きく丈夫になり、その後の飼育も安定しやすくなります。
ミドリガメにおすすめの生餌
ミドリガメにおすすめの生餌は、赤虫などの小さな昆虫類やメダカのような小魚、ヌマエビなどです。
生きた餌を水槽に入れると、素早く追いかけて食いつく姿が見られます。
メダカと赤虫など複数の生餌を嗜好性に合わせて使い分て、食事にバリエーションを持たせると効果的です。
ミシシッピニオイガメ

ミシシッピニオイガメは、甲長が最大でも15cm前後の小型の水棲カメです。
体長に合わせた小さめの飼育容器でも終生飼育が可能なことから、コンパクトにカメ飼育を楽しみたい方に人気があります。
性格も大人しい個体が多いため、初心者の方でも飼いやすい種類と言えるでしょう。
食性は肉食性が強めの雑食性で、生餌に対する食いつきも良好です。
ミシシッピニオイガメにおすすめの生餌
ミシシッピニオイガメにおすすめなのが、メダカや赤虫、ヌマエビを始めとする小型エビです。
水中を元気に動き回りながら餌を探す姿は愛らしく、観察していて飽きることがありません。
ただし、生餌を与えすぎるとその味を覚えてしまい人工飼料を受け付けなくなるケースがあるため、与える量には注意してください。
人工飼料と生餌をバランスよくローテーションしながら与えることで、偏食せず、栄養の偏りを防いで健康的な状態を保ちやすくなります。
ジーベンロックナガクビガメ

ジーベンロックナガクビガメは、その名の通り長い首が目を引く、個性的な姿をした水棲カメです。
長い首を素早く伸ばして獲物を捕らえる様子はとてもダイナミックで、他のカメとは一味違う魅力を楽しめます。
肉食性が強く人工餌料に餌付きにくいので、特に幼体の頃は生餌を中心に与えることになりますが、成長の過程で餌付けをすれば、人工飼料にも慣れる個体が多いです。
餌付けをするときは、活き餌ではなく冷凍餌をピンセットから食べられるように慣らします。その後、冷凍餌の中に人工餌料を埋め込んで食べさせていくと成功しやすいです。
人工餌料は栄養バランスがよいので、うまく併用しながら与えましょう。
幼体のころは生餌でしっかりと成長させ、成長とともに人工餌料を併用していくと栄養価はもちろん、コスパの面でもメリットが大きくなります。
ジーベンロックナガクビガメにおすすめの生餌
ジーベンロックナガクビガメの生餌は、体の大きさに合わせて変えていくのがおすすめです。
幼体の頃は口に入る大きさのメダカから始め、成長するにつれて小赤やエビ類へと大きくしていきます。
大型個体には冷凍のドジョウやワカサギ、川魚などを与えると効率よく餌やりができるでしょう。鳥ハツ、レバーなどもよく食べるので、おやつ感覚で与えるのもおすすめです。
マタマタ

マタマタは、平たい甲羅と落ち葉のようにギザギザとした頭部を持つ、ユニークな外見の水棲カメです。
水底にじっと身を潜め、近くにやって来た魚を大きな口で一瞬にして吸い込むように捕食します。
この待ち伏せ型の捕食スタイルは非常に特徴的で、他のカメでは見ることのできない光景といえるでしょう。一方で、動くものにしか反応せず、人工飼料にはほとんど見向きもしないため、飼育環境でも生餌が必須です。
マタマタにおすすめの生餌
マタマタを飼育するには、メダカや小赤、スジエビなどを安定して供給できる環境を整えておくことが大切です。
生餌用のストック水槽を別途用意し、マタマタを購入する前から餌用の生体を準備しておきましょう。
また、時間をかけて慣らせばピンセットから餌を食べてくれる可能性があります。
ピンセットで給餌ができるようになると、冷凍のどじょう、ワカサギ、さらには鶏ハツなども候補になるので、餌のストックがかなり楽になるでしょう。
ただ、このような冷凍や肉系の餌は、生きた小魚やエビを与えているときよりも水質の悪化がかなり早くなります。
与えるときは、こまめな水換えやろ過能力の高いフィルターの導入など、水質を保つための対策をしっかり行ってください。
生きた餌はストックの手間がかかるものの、野性味のある迫力ある捕食シーンを間近で観察できるのが魅力です。
どちらにも利点があるので、飼育スタイルに合わせて選定しましょう。
ハコガメ

ハコガメは、危険を感じると甲羅の開口部を完全に閉じて身を守ることができる、ユニークな習性を持っています。
水棲と陸棲の中間的な性質を持つ種類が多いことから、飼育環境の作り方が他のカメとはやや異なるでしょう。
食性も独特で、強い肉食性ではないものの幅広く様々なものを捕食します。飼育環境では人工餌と生餌をバランスよく与えることで、健康的に育ちやすいです。
ハコガメにおすすめの生餌
比較的広い食性を持つハコガメですが、幼体の頃は肉食の傾向が強めで、メダカやヌマエビなどの水生生物、コオロギやミルワームといった昆虫類を好んで食べます。
この時期は体の成長のためにも、生餌を中心に人工飼料を併用するのがおすすめです。
アダルトサイズまで成長したら人工飼料や生餌の他に、ニンジンや葉物野菜などの植物性の餌も積極的に取り入れてください。
成長段階に応じて食事の内容を段階的に切り替えていくことが、ハコガメを健康に育てるポイントです。
生餌と人工飼料、そして野菜類をバランスよくローテーションすれば、栄養の偏りと飽きるのを防ぎやすくなります。
様々な餌への反応を観察できる点も、ハコガメを飼育する楽しさのひとつと言えるかもしれません。
生餌を与えるメリット

カメにとって生餌は、単なる栄養補給にとどまらず、食欲増進や精神面への影響など様々なメリットがあります。
ここでは生餌を与えるメリットの中から、特に大きな2つを詳しく解説します。
嗜好性が高く食欲を刺激できる
生餌の最大のメリットは、なんといっても嗜好性の高さにあります。
野性では動く生き物を捕食しているカメにとって、水中を泳ぐ生餌は本来の捕食本能を刺激してくれるごちそうそのもの。水面や水底で動かない人工飼料に比べて、カメの目を引きやすく自然と食いつきが良くなります。
この「動き」こそが、生餌と人工飼料の大きな違いです。
拒食気味の個体の食欲スイッチを入れるのにも生餌はぴったりで、飼育し始めたばかりのカメや人工飼料を受け付けなくなった個体でも、目の前を動く生餌には反応を見せることが珍しくありません。
食欲が落ちた状態が長引くと体力の消耗や免疫力の低下にもつながるため、早めに生餌を与えて、とにかく食べされることを優先しましょう。
また、季節の変わり目や環境の変化によって一時的に食欲が落ちたとき、生餌を使って餌を食べるきっかけを作ってあげるのも良い方法です。
生餌は種類が豊富なので、いくつかをローテーションしていけば、食事のバリエーションが増えて飽きの防止にもなります。
ストレス解消になる

生餌を追いかけて捕食する行為は、カメにとって”狩り”を疑似体験している状態です。
自然で日常的に行っていた行動を飼育下でも再現してあげることで、精神的な充足感を与えられる効果が期待できます。
飼育下のカメは、同じ景色、同じ食事が続き、単調になりやすいです。刺激が減ると、普段食べてる人工飼料への反応が鈍くなることもあります。
そんな日常の中に生餌を取り入れると、普段とは明らかに違う活き活きとした姿を見せてくれるでしょう。生餌を投入した直後から目つきが変わり、首を伸ばして獲物を追いかけるなど活発な行動が観察できます。
この一連の捕食行動がカメにとっての刺激となり、ストレスの解消へと繋がるのです。
実際に、生餌を食べた後はしばらく水槽内を活発に泳ぎ回る個体も少なくありません。これは捕食によってスイッチが入り、本能的な活動意欲が高まっているためと考えられています。
このような行動の変化は、カメが心身ともに健康であるサインの一つです。生餌の導入は栄養面だけでなく、カメの生活の質を高める手段としても非常に有効といえるでしょう。
カメ用の生餌の保存・保管方法

メリットが多い生餌ですが、一方、保存や保管に手間がかかる点には注意が必要です。
生きた状態でストックしておくには、その生き物を飼育する環境を整えて新鮮な状態を維持していないと、餌として活用ができなくなってしまいます。
特にマタマタやジーベンロックナガクビガメのように、人工飼料をほとんど食べない種類を飼育する場合は、生餌を切らさず管理し続けるテクニックが必要です。
人工飼料のように一括で管理はできないため、種類に応じた適切な保存方法を知り実践しましょう。
赤虫
赤虫は冷凍タイプが販売されており、自宅の冷凍庫に入れておくだけで長期間保存できます。与えるときは必要な分だけ解凍して、カメに与えてください。
一度解凍したものを再冷凍すると品質が落ちるため、使い切れる量を小分けにして管理するのがポイントです。
小魚・小エビ
メダカや金魚、エビなどの水生生物を餌にするときは、生きたままストックしておくための簡易的な飼育環境を用意します。
小型の水槽に、投げ込み式フィルターやスポンジフィルターを設置する程度で十分です。
また、水質を維持するため、ストック水槽でも週に一度の水換えや最低限のメンテナンス、餌やりを行ってください。
金魚やメダカは、季節によって流通量や状態が変動することがあるため、余裕を持ってストックしておくのがおすすめです。可能であれば自家繁殖して増やすと、コストの削減にもなります。
コオロギ・ミルワーム
コオロギはプラケースに、くしゃくしゃにした新聞紙などの隠れ家を入れて飼育します。
ミルワームは、餌となるパン粉やふすま(小麦の表皮)を敷いたプラケースでストックできるので比較的簡単です。
コオロギなどの昆虫類も一年の中で流通量に偏りがあるため、多めにストックしておくか、手に入らないときの代替の餌を検討しておくと安心でしょう。
まとめ:生餌が必要なカメ5種!生餌を与えるメリットと必要性、ストック方法

生餌が必要なカメ5種と、生餌を与えるメリットや保存・保管方法について解説しました。
ミドリガメやミシシッピニオイガメは人工飼料でも飼育できますが、生餌を併用することで食事の幅が広がり、コンディションを保ちやすくなります。
ジーベンロックナガクビガメやハコガメは、成長段階に合わせた生餌を併用すると良いでしょう。
マタマタは生餌なしでは飼育自体が成り立たない種類なので、餌の確保やストック方法の目途を付けてから飼育を始めてください。
嗜好性の高い生餌はカメの食欲を刺激し、捕食行動を通じてストレスの解消にもつながります。
人工飼料だけで飼育できる種類のカメにも時折生餌を与えて、気分転換をさせてあげるのがおすすめです。
飼育している種類、飼育スタイルに合った生餌を少しずつ取り入れてみてください。

幼少の頃より生き物が大好きです。身近なカナヘビからオオトカゲまでさまざまな爬虫類を飼育してきました。また水族館に勤務していた時は、爬虫類コーナーの担当もしていました。これまでの経験を活かして、爬虫類飼育が楽しくなるようなコラムを紹介していきます。







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