ゼンスイ・マイクロシリーズとは!爬虫類用照明の選び方とメリットを解説

水槽用クーラーでお馴染みの『ゼンスイ株式会社』は、爬虫類飼育用ライトも数多く開発しています。

その中でも小型照明のマイクロシリーズは、小型ケージにも設置ができるコンパクトさが人気です。
バスキングライト紫外線ライト保温ライトの3タイプがあり、用途や生体に応じて選べるというメリットもあります。

この記事では、マイクロシリーズの特徴や種類、使い方、それぞれの性能やメリット・デメリットなどを詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

ゼンスイ・マイクロシリーズとは


↑写真は、マイクロサン28WとマイクロUV LED E26を設置しています。

ゼンスイ株式会社のマイクロシリーズには、バスキングライトの『マイクロサン』、紫外線ライトの『マイクロUV LED』、保温ライトの『マイクロインフラレッド』の3種類の商品があります。

マイクロシリーズは、ライトの口金が一部製品を除いてGU10と少し特殊な形状をしており、これにより灯部の小型化に成功しました。

小型のため、ケージサイズを問わずに設置できたり、生体とライトとの距離が取れて火傷の心配が減ったりと、爬虫類飼育における頼もしい照明シリーズです。

マイクロサン

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マイクロサンは、昼行性爬虫類に欠かせないバスキングスポットを作成するライトです。
28W53Wの2種類あり、ケージサイズや目的に応じて使い分けます。

微量のUVA・UVBを照射しますが、昼行性爬虫類の必要量は照射されないため、紫外線ライトと併用しましょう。

項目 マイクロサン 28W マイクロサン 53W
光量・熱量 弱め(控えめな保温・照明) 強め(広範囲・高温域を確保)
ケージサイズ目安 幅30〜60cm程度の小〜中型ケージ 幅60〜90cm以上の中〜大型ケージ
照射距離 生体から20〜30cm程度 生体から30〜40cm以上(距離を取る)
主な用途 ヤモリ・小型トカゲ・幼体などの局所保温 リクガメ・フトアゴヒゲトカゲなど高温を好む種のバスキング
消費電力 約28W(省エネタイプ) 約53W(高出力タイプ)
設置時の注意 照射範囲が狭いため、角度調整で温度ムラを防ぐ必要がある 高出力のため、近距離設置や狭いケージでは過熱注意

筆者は、60cmケージでフトアゴヒゲトカゲを飼育しています。
28Wと53Wの両方を所有していますが、季節や環境に応じて、切り替えながら使うのが有用です。

寒い季節は28Wを取り外して53Wを設置する、といった工夫をすると、一年を通じてバスキングスポットが35〜40℃を保つように調整できるでしょう。

マイクロUV LED

ゼンスイ マイクロン+マイクロUV LEDセット|爬虫類・両生類用 UVB/UVA LED ランプ

マイクロUV LEDは、トカゲやカメなどの昼行性爬虫類に欠かせない紫外線を照射するライトです。

従来は、蛍光灯タイプの紫外線ライトが主流でした。その中で、LEDで発熱を抑えながら、紫外線量は13W蛍光灯の約4倍ほどの強力なUVA・UVBの照射を実現しています。

発熱量が低いので生体が触れても火傷しにくく、UV LED素子を採用しているため省エネ・長寿命という点もメリットです。

蛍光灯タイプの紫外線ライトは半年〜1年おきに交換が必要ですが、マイクロUV LEDの交換目安は約2年であり、コスパにも優れています。
交換時期に関してはあくまでも目安のため、紫外線ライトのUVB量は定期的に確認しましょう。

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紫外線量が50%以下になったら交換時期です。
マイクロUV LED単体ではバスキングスポットは作成できないため、必ずバスキングライトと併用して使いましょう。

可視光線を含んだ光も照射

マイクロUV LEDは、可視光線も併せて照射します。

可視光線を浴びることで、昼夜の区別がつき生活リズムを整えられるでしょう。また、紫外線ライトを直視する心配が減り、雪目になるのを防げます

口金が2タイプある

マイクロUV LEDには、口金がGU10とE26との2種類あります。

口金E26の『マイクロUV LED E26』は、E26ソケットで使用できるLEDタイプのUVライトです。
爬虫類飼育用ライトは一般的にE26タイプのソケットが多く、手持ちのソケットで使用できるメリットがあります。
『マイクロUV LED(GU10)』とソケットが異なるだけで、性能に変わりはありません。
ゼンスイ マイクロUV LED E26 ホワイト ストロングスタンド灯具セット|爬虫類/両生類用 LED 紫外線ライト

ゼンスイ株式会社は、ファーガソンゾーンと呼ばれる、生体ごとに適した紫外線ライトの照射距離を提示しています。

また、小型ケージでも設置できる関連製品を多数取り揃えているため、ぜひ併せてご覧ください。

参考リンク:ファーガソンゾーン紫外線量スペクトル表
ゼンスイ株式会社の公式(外部サイト)が開きます。

マイクロインフラレッド

ゼンスイ マイクロインフラレッド マイクロンセット 40W|爬虫類・両生類用 赤外線保温ランプ

マイクロインフラレッドは、生体に見えにくい赤色の光を照射する保温ライトです。

昼夜問わず使用でき、可視光を抑えているため、夜間保温や夜行性爬虫類のケージに適しています。
赤外線が体の芯まで届き、効率的に温めてくれるでしょう。

単品スタンド・交換電球

マイクロシリーズは、灯具のみ・ライトのみの単品でも販売されています。

単品スタンド(灯具)

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『クリップスタンド マイクロン』は、口金GU10の灯具です。
爬虫類飼育用ライトの灯具の中では、最小サイズといわれています。

対象商品:マイクロサン28W/53W、マイクロUV LED、マイクロインフラレッド

ゼンスイ ストロングスタンド

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『ストロングスタンド』は、口金E26の灯具です。
クリップスタンド マイクロンと比べてやや大きいですが、クリップが小型のため場所を取らずに設置できます。

対象商品:マイクロUV LED E26、その他E26タイプのライト(ゼンスイ ストロングシリーズなど)

交換電球

ライトには寿命があり、メーカーは定格寿命を定義しています。

マイクロサンとマイクロインフラレッドは約1,500時間、マイクロUV LEDは5,000〜7,000時間です。

定格寿命内でも、「点灯しているのに熱量が弱くなってきた」「点灯しているのに紫外線量が減ってきた」といった場合は交換時期です。特にUVライトは、紫外線量が50%以下になったら交換しましょう。

保温性や紫外線量の低下は、生体の健康に影響します。「ライトが切れたら交換」ではなく、ライトは常にストックしておきましょう。

■マイクロサン 交換球


■マイクロUV LED 交換球
▼GU10タイプ


▼E26タイプ

■マイクロインフラレッド 交換球

マイクロシリーズの設置方法

『クリップスタンド マイクロン』『ストロングスタンド』などのマイクロシリーズの灯具は、2通りの設置方法がありますので、ご紹介します。

挟んで固定

ケージ本体や、ランプステーを挟むだけで設置できます。
クリップが強力で挟むだけでも外れないため、安定感のある設置方法です。

フタの裏に固定

クリップスタンド マイクロンに付属している、網ブタ用付属部品を取り付けることで、フタの裏に固定して設置できます。
口金E26のストロングスタンドには付属されていませんが、上記の部品で代用可能です。

注意点として、フタの網目が細かい場合は、目打ちなどで穴を広げるといった対応が必要になります。

マイクロシリーズのメリット・デメリット

マイクロシリーズのメリット・デメリットをご紹介します。

メリット

  • 小型であるため、小型ケージでも設置できる
  • 灯具にネジがついており、ライトの照射距離を調整できる
  • 挟む・フタ裏に付けるなど2通りの取り付け方ができる

マイクロシリーズ共通のメリットは、灯具が小型であるため場所を取らずに設置できる点です。

また、照射距離を調整することにより生体と距離が取れます。これにより、生体の火傷の心配が減るだけでなく、飼い主がケージに手を入れる際の火傷のリスクも減るでしょう。

筆者は、フトアゴヒゲトカゲ飼育当初には、大きめのバスキングライトを使用していました。
しかし、お世話するときに火傷を負ってしまう、子どもがケージに手を入れる時にヒヤッとするシーンが多々ある、といった背景からマイクロサンに買い替えたのです。

次に、マイクロUV LEDのメリットをご紹介します。

  • 消費電力が低い
  • 長寿命

消費電力が低いため、ランニングコストを抑えられる・発熱が少なくケージ内の温度管理に影響が出にくい、といった点は大きな魅力です。

また、長寿命であるため、ライト交換時期が蛍光管タイプよりも長いこともメリットでしょう。

デメリット

  • 大型ケージには不向き
  • 照射範囲が狭い
  • UV LEDの交換球がやや高価

小型のため、大型ケージではやや出力不足に感じるケースもあるでしょう。

また、照射範囲が狭いため、小型〜中型ケージで局所的に使用するのがおすすめです。

UV LEDの交換球は、約6,000円前後とやや高めに設定されています。ただし、ほかの紫外線ライトに比べ消費電力が少なく長寿命であることから、トータルのコストはあまり変わらないとも考えられるでしょう。

まとめ

ゼンスイ・マイクロシリーズについて解説しました。

マイクロシリーズは、小型ケージでも使いやすいコンパクトさが特長のライトです。
小型ゆえに設置自由度が高く、挟む・フタ裏に固定の2通りで安全に設置できます。また、照射距離を細かく調整できるため、火傷リスクの軽減にも有効です。

一方で、出力や照射範囲は大型ケージでは不足しがちで、UV LEDの交換球はやや高価という注意点も。

シリーズには、バスキング用のマイクロサン(28W/53W)、紫外線を供給するマイクロUV LED(GU10/E26)、夜間保温向きのマイクロインフラレッドの3つの種類があります。
交換球のストックは忘れずに、生体の成長や環境、役割に応じて使い分けてみてください。

それぞれのライトの違いを以下の表にまとめました。ぜひ参考にしてください。

マイクロサン マイクロUV LED マイクロインフラレッド
商品
ゼンスイ
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用途 バスキングライト 紫外線ライト 保温ライト
主な特徴
  • コンパクト
  • 光と熱、UVAを同時に照射し自然な日光環境を再現。
  • 口金はGU10。
  • LED仕様、省エネで長寿命
  • 紫外線量は13W蛍光灯の約4倍
  • 口金はGU10とE26の2タイプ
  • 可視光を抑えた赤外線放射タイプ
  • 夜間の保温に最適で、生体の休息を妨げない
  • 口金はGU10
適した生体 トカゲ・リクガメ・フトアゴヒゲトカゲなどの昼行性爬虫類 トカゲ・リクガメ・フトアゴヒゲトカゲなどの昼行性爬虫類 ヤモリ・ヘビ・などの夜行性爬虫類や両生類
おすすめ環境 日中の保温・日光浴用。小~中型ケージのメイン照明に最適。 日光不足を補う照射ライトとして。高UV照射が必要な飼育環境に。 夜間保温・冬場の補助ヒーターとして。就寝時のライトアップが不要な飼育環境に。