細長く柔軟な体を持つヘビは、閉め忘れた扉やわずかな隙間からも出て行ってしまう脱走の常習犯。
ケージから出たヘビは、人間の想像をはるかに超えるような狭い場所に入り込んでしまって思わぬケガに見舞われる危険もあるため、居なくなったことに気づいたら、早急に対処が必要です。
まずは落ち着いて窓や扉を閉めてヘビの移動範囲を区切ってから、捜索を開始してください。
室内にいるうちに発見できれば飼い主自身で十分対応できますが、屋外に逃げてしまったら捜索がかなり難しくなります。大人しいヘビも多いですが、周囲の人や動物への影響も考えられるため、脱走を軽く考えないことが重要です。
この記事では、ヘビが脱走したときの対処方法を解説します。
屋外へ逃げた可能性がある場合の対応や、脱走を防ぐための対策についても解説しますので、ヘビ飼育の参考にしてください。
ヘビが脱走した!まず最初にすること

ヘビがケージからいなくなっていたら慌てて家中を探し回ってしまいそうですが、いきなり捜索を開始するのはあまりおすすめできません。
焦って探している間に開けっ放しの扉や窓から外に出てどんどん遠くへ行ってしまう危険があります。
脱走の可能性に気づいたら、まずは落ち着いて、ヘビの移動できる範囲を絞る対処を行うことが大切です。
ここでは、ヘビが脱走したら最初にすべきことを解説します。
遠くへ行かないよう窓やドアを閉める
ヘビがいないことに気が付いたら、今以上に遠くへ移動していかないよう出入り口を封鎖しましょう。
屋外への逃走に繋がる玄関や窓、ベランダを優先的に、部屋間の移動を防ぐため室内の扉も閉めて、脱走した可能性が高い部屋中にいる前提で捜索できる状態を作ります。ドアの下に大きな隙間がある場合は、タオルなどを詰めて通れないようにしておくと安心です。
また、換気口や配管まわり、壁の穴なども確認してください。ヘビは頭が通るほどの隙間があれば入り込んでしまうことがあるため、人から見ると小さな隙間でも注意が必要です。
家族がいる場合は、ヘビが見つかるまでドアや窓を開けないよう伝えておきます。人が出入りした扉の隙間からスルスル出ていかれてしまうと、捜索範囲が広がってしまうため、最初の段階で室内を閉鎖することが重要です。
犬や猫など他のペットを別室へ移動する

犬や猫などヘビと同じ部屋で他のペットを飼育している場合は、ヘビの捜索を始める前に別室へ移動させましょう。
人間よりも先にペットがヘビを見つけてしまうと、驚いた拍子に嚙みついたりひっかりたりして双方がケガをしてしまう可能性があります。
ハムスターや小鳥などの小動物はたとえケージに入れていたとしても、隙間からヘビに侵入されて捕食されてしまう危険があるため、こちらも安全な場所に移動しておくと安心です。
また、他生き物がいない状態ならば、物音が減ってヘビの捜索に注力できるのも利点です。
ヘビが落ち着いて隠れている可能性を考えると、部屋を静かな状態にしておくことも見つけやすさにつながるでしょう。
ケージの中をもう一度確認する

居なくなったと思ったヘビが実際は外には出ておらず、ケージ内の思わぬ場所に隠れていたというケースもあります。
床材の中やシェルターの裏、バックボードの隙間、流木の影や内部などをもう一度確認してみてください。
特に小型種や幼蛇は隙間に入り込みやすく、床材の下に潜っていたり、レイアウト用品のわずかな隙間でじっとしていたりすることも珍しくありません。
ケージ内の用品を一つずつ取り出し、裏側や内部まで丁寧に探索してみましょう。
それでも見つからなければケージの外へ出た可能性が高いため、周辺から順番に捜索を開始します。
ヘビはどこに隠れる?脱走したヘビの探し方

ヘビは物陰や隙間に入り込むのが得意で、目につく場所だけを探してもなかなか見つからないことがあります。
やみくもに家中を探すのではなく、ケージ周辺から少しずつ範囲を広げながら、ヘビの習性や種類に合わせた隠れ場所を重点的に確認していきましょう。
ここではヘビが隠れやすい場所や探し方をご紹介します。
まずはケージのすぐ近くから探そう
脱走したヘビを探すときは、まずケージの周辺から捜索を始め、ケージ周辺→同じ部屋→隣の部屋→家全体のような順番で、少しずつ範囲を広げていくのがポイントです。
次にヘビが入り込みやすい隠れ場所ですが、脱走直後に一番潜んでいる可能性が高いケージの近くでは、棚や家具と壁の隙間、家具の下などを重点的に確認してください。ヘビは身を隠せる場所を見つけると、移動せずにそのままじっとしていることがあります。
次に部屋の中では、カーテンの裏や段ボールの中、バッグ、衣類、布団の隙間などが見落としやすい場所です。靴やスリッパの中に入り込む可能性もあるため、足を入れる前に中をよく確認すると安全でしょう。
また、「こんな隙間には入れないだろう」という思い込みを捨てて捜索するのも効果的。ヘビは頭が通る程度の隙間であれば体も通り抜けられるため、狭い場所まで丁寧に探してみてください。
「暗い・狭い・適温」の場所を重点的に探す
ヘビは、外敵から身を隠せる暗くて狭い場所を好む傾向があります。
そのため、家具の裏や収納の奥など、人の気配が少なく落ち着ける場所は特に丁寧に確認しましょう。
また、温度も隠れ場所を探す手掛かりになります。
自分で体温を一定に保つことができないヘビは、寒い時期であれば、冷蔵庫など家電の周辺や暖房器具の近くといった、比較的暖かい場所へ移動している可能性が高いです。
一方、室温が高くなる夏場は家具の下や部屋の隅など、少し涼しい場所に入り込むことが多いでしょう。
暗い・狭い・そのときのヘビにとって過ごしやすい温度という条件を組み合わせて考えると、捜索場所を絞り込みやすくなります。
ヘビの種類によって「探す高さ」を変える

ヘビには地表性や樹上性のように、普段縄張りとする生活スペースの高さに違いがあります。
逃げ出したヘビを捜索するときは、飼育しているヘビの性質に合わせて視点を変えることも重要です。
例えば地表性のヘビであれば、家具の下や壁際、床に近い隙間に潜んでいる可能性が高いですし、地中へ潜る性質が強い種類は、布類の下や狭い隙間など、地面に潜るように体を入れられる場所に入り込んでいることがあります。
樹上性のヘビの場合は、コード類や家具を伝って想像以上に高い位置へ移動していることがあるため、棚の上やカーテン、家具の上部なども確認してみましょう。
脱走したヘビを見つけるには、「どこに隠れそうか」だけでなく、「普段どのような場所を好む種類なのか」という考察も役立ちます。
種類ごとの習性を踏まえて探せば、効率よく捜索範囲を絞れるでしょう。
見つからないときに試したい捜索方法

ケージ周辺や家具の隙間などを探しても見つからないときは、ヘビが移動した痕跡を残させたり、おびき寄せたりできるような工夫をするのが有効です。
すぐに発見につながらなかったとしても、家にいるということが分かれば安心できますし、行動範囲を推測できれば捜索しやすくなるでしょう。
ここでは、ヘビが見つからない時に試したい捜索方法をご紹介します。
小麦粉などを撒く
ヘビが通りそうな壁際や家具の周辺などの床に小麦粉や片栗粉を薄く撒いておくと、ヘビが這った跡が残りやすくなります。
使用するのは、ヘビの体についても大きな問題になりにくい粉類です。
大量に撒く必要はなく、床にうっすら広げておくだけで十分で、跡が残ればその方向から移動先を推測できます。
ただし、家族やほかのペットが歩くと跡が分かりにくくなるため、設置する場所はできるだけ人が通らないところを選んでください。
カサカサ音がするものを壁際に置く
ヘビは部屋の中央よりも、壁や家具の隙間を縫うように端っこを移動する習性があります。
この特徴を利用して、壁際に丸めた新聞紙やビニール袋など、触れると音が出るものを置いておくと、動いたときに存在に気づきやすくなるでしょう。
夜間など周辺が静かな時間帯ならばより効果的に音を拾えますし、捜索中にずっと見張る必要がないのもメリットです。
こういった罠を設置するときはヘビの安全に配慮し、ビニール袋などに入り込んだり絡まったりしないよう縛っておくといった工夫をしてから利用するようにしてください。
通りそうな場所にシェルターを設置する
普段ケージ内で使っているシェルターを、ヘビが近づいてきそうな壁際や家具の近く設置しておくのも効果的です。
慣れた匂いや狭い空間につられて、ヘビが自分から入り込むことがあります。

寒い季節であれば、シェルターの下にパネルヒーターなどを設置して、暖かくしておくのもよいでしょう。この場合は、やけどや火事に十分注意して安全に設置してください。
シェルターの中は定期的に確認しつつ、しばらくそのままにしておくのが良いです。
なかなか入らないからと頻繁に場所を変えるよりは、状況を変えずに様子を見ていた方がヘビが安心して近づきやすく、早く発見に至る可能性が上がります。
屋外へ逃げた可能性がある場合

脱走に気づいたときに窓や玄関が開いていた、ベランダへ出られる状態だったなど、屋外へ逃げた可能性がある場合は、周囲への影響を考えて対応してください。
室内の探索と並行して、ケージを置いていた部屋から外へ出られる経路を確認し、ベランダや玄関周辺、建物の外壁沿いなどを探してみましょう。植木鉢の裏や物置の下、室外機の周辺など、身を隠せる狭い場所に入り込んでいる可能性もあります。
大型種や気性の荒い種類、人に危害を与えるおそれがあるヘビの場合は、飼い主だけで捜索を続けるのではなく、早い段階で警察や自治体の担当部署へ連絡して指示を受けてください。
公的機関が行う対応はヘビの種類や地域によって異なりますので、種類や大きさ、体色、最後に確認した場所などを整理しておくと、相談時に状況を伝えやすくなるでしょう。
屋外へ出てしまうと影響する範囲が大きくなります。無理に自分だけで解決しようとせず、必要に応じて関係機関へ早めに相談することが大切です。
ヘビの脱走対策

脱走したヘビを無事に見つけたとしても、同じ飼育環境のままでは再び逃げてしまう可能性があります。
脱走の原因を確認するとともに、ケージのロックや隙間を今一度見直して、万全の態勢で飼育を再開しましょう。
ここではヘビの脱走対策について解説します。
ロックできるケージを使う
ヘビの飼育には、前面扉や天面のフタをしっかり固定できるケージが安心です。
ヘビは体を押しつけて扉やフタを動かすことがあるため、軽い力で空いてしまうタイプでは十分な対策とはなりません。
脱走防止の観点からケージを選ぶならば見た目やサイズだけではなく、開閉口が簡単に開かず、頑丈な作りになっているかも重要なポイントです。
特にスライド式のガラス扉や持ち上げるタイプのフタは、開閉の度にロックがかかっているかを確認しましょう。
扉にガタつきがあるとわずかな隙間から脱走につながるため、補修や買い替えを検討することをすることをおすすめします。
隙間の有無や大きさを確認する
細長く柔軟な体を持つヘビは、人間が全く予想していないような些細な隙間も簡単に通ってしまいます。
特に幼蛇や細身の種類を飼育している場合は、ケージ周りに危険な場所がないか確認しましょう。
フタの周囲や通気口、配線を通す穴、ケージの接合部分などを定期的に確認してください。
少しでも心配な場所を見つけたら、通気性や安全性を損なわない程度にふさぐ工夫をします。
ケージの置き場所を確認する
実はケージの設置場所も脱走時の対応に大きく関係します。
例えばケージが窓や玄関、ベランダなど屋外への出入り口付近に置かれていた場合、ちょっとした隙に屋外に逃げ出してしまうリスクが高まる可能性も。
屋外への脱走は、なんとしても回避したい事態ですので、ヘビのケージはできるだけ室内よりに設置し、万が一ケージ外に出てしまったとしても簡単に屋外に出ていかないような配置にしておくと安心です。
脱走対策において「今まで逃げたことがないから大丈夫」という考えは良くありません。成長によって力が強くなったり、ケージの部品が緩んだりすることもあるため、日頃からこまめに脱走経路がないか確認しておくことが重要です。
まとめ:ヘビが脱走したら!緊急時の対処と捜索方法!ケージの脱走対策も解説

ヘビの脱走について解説しました。
ヘビが脱走した可能性があることに気づいたら探し回る前にまず、扉や窓を閉めてヘビの移動範囲を狭めることが重要です。
そのうえでケージ周辺から順番に、暗く狭い場所やヘビが居心地の良い温度のところを重点的に確認しましょう。
なかなか見つからないときは、床に小麦粉を撒いて移動した跡を追跡できるようにしたり、壁際に音の出るものやシェルターを設置しておびき寄せたりする方法が効果的です。
また、大型種や人に危害を与えるおそれのあるヘビが屋外へ逃げた可能性がある場合は、早急に警察や自治体へ相談し、指示を仰いでください。
ヘビの脱走は思わぬ事故やトラブルにつながるため、普段から逃がさない飼育を意識することが大切です。
通気口や配線口などの隙間を定期的に確認し、脱走経路になりそうな場所をなくしてヘビの安全な飼育を楽しみましょう。

幼少の頃より生き物が大好きです。身近なカナヘビからオオトカゲまでさまざまな爬虫類を飼育してきました。また水族館に勤務していた時は、爬虫類コーナーの担当もしていました。これまでの経験を活かして、爬虫類飼育が楽しくなるようなコラムを紹介していきます。

















