爬虫類飼育で気になるケージ内のニオイや汚れ。中でも排泄物はニオイもさることながら、放置しているとサルモネラ菌などの雑菌が繁殖する原因になるため、見つけたらその都度除去するといった細かなお手入れが必須です。
しかしどんなに掃除に気を配っていても、床面やシェルター、水入れの周りに汚れが残ってしまうことがあるでしょう。
そこで注目したいのが次亜塩素酸水です。
次亜塩素酸水は除菌力と消臭力に優れた水溶液で生体への影響が少ないことから、爬虫類飼育者の間でお掃除アイテムとして人気が高まっています。
一方使い方によっては十分な効果が出ないことがあるので、事前に正しい使用方法をチェックしておくことが大切です。
この記事では、次亜塩素酸水を使って爬虫類ケージや用品をきれいにする方法を解説します。次亜塩素酸水を使ったおすすめのアイテムもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
爬虫類ケージの除菌・消臭に!次亜塩素酸がおすすめな理由

爬虫類ケージの掃除では見える汚れを落とすのはもちろん、ニオイや雑菌など目に見えない汚れへの対策も重要です。
次亜塩素酸水は除菌と消臭の両方に使いやすく、日々のメンテナンスに取り入れやすいアイテムといえるでしょう。
ここでは、次亜塩素酸が爬虫類飼育のメンテナンスにおすすめな理由をご紹介します。
強力な殺菌・消臭効果を持った水溶液
次亜塩素酸水は「次亜塩素酸(HClO)」を主成分とする、強力な殺菌消臭効果を持つ水溶液です。
次亜塩素酸は人間の体内でも生成されており、白血球が体に入ってきた細菌やウイルスに対抗する免疫成分として働くもの。この免疫の仕組みを応用したのが次亜塩素酸水で、菌の細胞膜にまで浸透し、酸化作用によって内側から菌を分解します。
ニオイのもとになる菌そのものにアプローチできるため、高い殺菌消臭効果が期待できるというわけです。
安全性が高く様々な場面で使いやすい!
そもそも人体でも生成される成分を使った次亜塩素酸水は、生き物への影響が少なく、様々な場面で使いやすいです。
散布されたり汚れや有機物に反応したりすると、ほぼ水のような物質に変化するため、成分が残留せず、誤って生体が触れてしまっても問題になることがほとんどありません。
また、散布したときに素材に与える影響もないため、ガラスケージやプラスチックケースなどはもちろん、シェルターや水入れのお手入れにもぴったり。
使用方法はスプレーして拭き取るだけなので、毎日の掃除にも取り入れやすいです。
爬虫類の飼育では、強い香りの消臭剤や刺激の強い薬剤は向いていません。次亜塩素酸水はニオイをごまかすのではなく、原因に働きかけるため、爬虫類飼育と相性の良いアイテムといえます。
次亜塩素酸の注意点

次亜塩素酸水は様々な爬虫類ケージのメンテナンスで活躍する一方、使い方にはいくつか注意点があります。
最大限の効果を発揮するためにも、正しい知識を持って使用しましょう。
ここでは次亜塩素酸を使う際の注意点を解説します。
汚れは拭きとってから使おう
次亜塩素酸水は有機物に触れた瞬間から反応がはじまり、徐々にただの水へと変化していく性質があります。
つまり、フンや尿の汚れがこびりついた状態でスプレーしても、汚れと反応した時点で効果が失われてしまい、見えないニオイや汚れにまで作用しなくなってしまう可能性があるのです。
そのため、次亜塩素酸水を効率よく使用するには、まず目に見える汚れをティッシュやウェットシートで取り除いておくことが重要となります。ゲージ内がきれいになってからスプレーして、清潔な布やキッチンペーパーで拭きとるのがおすすめです。
また、次亜塩素酸水は紫外線や高温に弱い性質があります。
日当たりのよい場所での保管は避け、なるべく早めに使い切るよう意識してください。
次亜塩素酸ナトリウムとは別物
似た名前の成分に「次亜塩素酸ナトリウム」というものがあります。こちらも消臭効果が期待できるアイテムとして販売されていることがありますが、成分の性質はまったく異なるため、十分注意が必要です。
次亜塩素酸ナトリウムはアルカリ性の薬剤で、刺激が強いものも多くあります。爬虫類の体に触れると悪影響が出る可能性があるため、購入時には商品説明をよく確認するようにしましょう。
ただし最近は、次亜塩素酸ナトリウムをベースにpHを調整して、ペットにも使いやすい弱酸性に仕上げた製品が登場しています。
爬虫類・小動物用として販売されているものであれば、問題なく使用可能です。
爬虫類ゲージを掃除!次亜塩素酸水の使用方法

ここからは、次亜塩素酸水を使った爬虫類ゲージの掃除方法として、拭き掃除と付け置きの仕方をご紹介します。
次亜塩素酸の効果を発揮するためにも、具体的な手順を確認しておきましょう。
スプレーして拭き掃除に活用する

次亜塩素酸水を使った掃除のやり方一つ目は、ゲージ内に吹きかけて拭き掃除に活用する方法です。
具体的な手順は以下の通り。
- 生体を別容器に移す
- 排泄物や餌の食べ残しなど、目に見える汚れを取り除く
- ゲージの壁面や底面に次亜塩素酸水をスプレーする
- 清潔な布やペーパーで拭き上げる
- 必要に応じて乾拭きする
ゲージ全体をしっかり掃除するときは、生体を安全な場所に隔離してから作業を開始することをおすすめします。日常的なメンテナンスであればそのままでも良いですが、時間がかかるメンテナンスではスプレーの音や手の動きがストレスになることがあるためです。
次に目立つ汚れを取り除いたら、次亜塩素酸水を全体にスプレーして拭き上げてください。
基本的にはこれで作業完了ですが、湿気を嫌う種類を飼っている場合や、湿気がこもりやすいケージの場合は、仕上げに乾拭きをすると安心です。
シェルターや水入れをつけ置きする

次亜塩素酸水は、頑固な汚れや細かくて掃除がしにくいアイテムの付け置き洗いにも活用できます。
対象となるのはシェルターや水入れ、人工プランツなど。特にぬめりが出やすい水入れや、排泄物が付きやすいシェルターは、定期的に付け置き洗いをすると清潔な状態を維持しやすくおすすめです。
次亜塩素酸水を使ったつけ置き洗いは、以下の手順で行います。
- 水洗いやスポンジを使って表面の目立つ汚れを除去する
- バケツなどに水と『次亜塩素酸水の素』を入れて攪拌する
- アイテムを数分から数十分つけ置きする
- しっかり乾燥させてからゲージに戻す
こちらの場合も、目に見える汚れをあらかた落としてから次亜塩素酸水を使った作業に移行してください。
つけ置きに使う次亜塩素酸水はコスパよく必要量を用意できる、パウダータイプがおすすめです。
つけ置きの時間は数分から数十分程度で、汚れの程度に合わせて調整します。
また、つけ置き後は天日干しか風通しのよい場所において、しっかり乾燥させることも重要です。濡れたままケージに戻すと、湿度上昇やぬめりの原因になります。
ケージ本体の拭き掃除と用品のつけ置きを組み合わせると、より効率的にニオイの元や雑菌を絶つことが可能です。
日々の軽い掃除とは別に、定期的に次亜塩素酸を使った掃除を行いましょう。
次亜塩素酸ナトリウム系の漂白剤を使ったつけ置き
次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする衣料用漂白剤を0.05%以下に希釈して、つけ置きすることも可能です。
衣料用漂白剤は一般的なスーパーなどでも販売されていて、次亜塩素酸水よりもかなり安価なので、気軽に利用できるのがメリット。
しかし一方で、生き物が誤って舐めてしまうと体調に影響が出る可能性があるため、つけ置き後は水道水で洗浄したあと、しっかり天日干しをしてからゲージに戻すことを徹底してください。
水槽の消毒におすすめな次亜塩素酸アイテム

次亜塩素酸水を使った爬虫類やペット向けのアイテムは、いくつかのタイプが販売されており、製品によって価格や使用感、希釈の手間が変わります。
ここでは、おすすめの次亜塩素酸アイテムを3つご紹介します。
プーキープロケア ハンドスプレー
『プーキープロケア』は、爬虫類ケージや飼育用品の掃除に使いやすい次亜塩素酸スプレーです。
原料に次亜塩素酸ナトリウムが使われていますが、アルカリ性の次亜塩素酸ナトリウムとは全くの別物で、pH調整技術により弱酸性に整えられているので、爬虫類にも安心して使えます。
除菌・消臭力の高さが評判で、ウェットシェルターの洗浄に使い続けると貯め水のとろみやカビを抑えやすくなったという声も多いです。
原液タイプを購入して自分で希釈すれば、コストを抑えながら使える点もメリット。複数のケージを管理している方や、掃除の頻度が高い方にも向いています。
原液を使用する場合は注意書きをよく確認し、既定の濃度を守って使用してください。
ぺっとくりん 両生類・爬虫類用
『ぺっとくりん』は、高度な希釈混合技術でpHを弱酸性に調整した消臭スプレーです。
商品名に両生類・爬虫類用とあるため、初めて使う方でも選びやすいのではないでしょうか。
手ごろな価格と詰め替え用も含めた豊富なサイズラインナップで、コスパ良く掃除をしたいというユーザーのニーズに答えます。
特に毎日こまめに掃除をしたい方は、気兼ねなく使える価格感が嬉しいポイントでしょう。
一方で、使用期限が短めな点には注意してください。目安として約6か月ほどの期限が設定されているため、開封後は長く保管せず早めに使い切ることが大切です。
次亜塩素酸水の素
『次亜塩素酸水の素』は、水に溶かして使う粉末タイプの除菌剤です。
次亜塩素酸水の素として販売されている粉末の多くは、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを主成分としており、水に溶かして適切な濃度に調整すれば、爬虫類ケージや飼育用品の除菌に使用できます。
粉末タイプはスプレーよりも安価な傾向があるので、複数のケージを管理している方や頻繁につけ置き掃除をする場面でコスパ良く活用できるでしょう。
ただし、粉末タイプは商品ごとに希釈濃度が異なります。濃く作ればよいというものではないため、説明書に沿って水に溶かし、しっかり撹拌してから使うことが大切です。
また、作った液は長く置いておくと効果が落ちる場合があるため、必要な分だけ作り、できるだけ早めに使い切ることも意識してみてください。
まとめ:次亜塩素酸水で爬虫類ケージ・用品をきれいにする方法!おすすめアイテムも紹介

次亜塩素酸水について解説しました。
次亜塩素酸水は、除菌・消臭効果の高さと生体への安全性を両立した、優れたお手入れアイテムです。
爬虫類飼育ではフンや尿の独特なニオイや雑菌の繁殖を軽減し、ゲージ内を清潔に保つのに活躍します。ゲージ本体から水入れやシェルター、人工プランツなどあらゆるものの掃除に使えるので、一つ用意しておいて損はないでしょう。
次亜塩素酸水を効果的に活用するには、まず目立つ汚れをふき取ってから使用することが重要です。また、次亜塩素酸ナトリウムと混同しないなど、いくつかの注意点を押さえておきます。
今回ご紹介した次亜塩素酸水を使った製品は、いずれも爬虫類飼育者の間で支持されているアイテムです。それぞれ価格やコストパフォーマンスに違いがあるため、ご自身の飼育スタイルに合った製品を選んでみてください。
日々のお手入れに次亜塩素酸水を取り入れて、爬虫類にとって快適で清潔な環境を維持しましょう。
ほかにもさまざまなコラムがありますので、ぜひそちらもご覧ください。

幼少の頃より生き物が大好きです。身近なカナヘビからオオトカゲまでさまざまな爬虫類を飼育してきました。また水族館に勤務していた時は、爬虫類コーナーの担当もしていました。これまでの経験を活かして、爬虫類飼育が楽しくなるようなコラムを紹介していきます。




















