『ZC-αシリーズ』を始めとした数々のヒット商品を生み出し続けているゼンスイ株式会社様(以下、ゼンスイ)から、水槽用の加湿装置Fog(フォグ)が発売されました。
アクアリウム業界では老舗であるゼンスイでは、近年爬虫類飼育機材の開発・販売にも力を入れており、照明やシェルターなどが続々と登場しています。
中でも今回ご紹介する水槽用の加湿装置Fog(フォグ)は、パルダリウムや爬虫類ケージへ安全に加湿が行えるように設計されており、多湿環境を好む生き物を飼育する際の心強い味方です。
今回は、ご担当者様へのインタビューをもとに、開発に至った経緯や特徴的な機能からその効果についてまでを詳しく解説します。
ゼンスイのFog(フォグ)とは!開発背景と特徴
Fog(フォグ)は、ゼンスイから販売されている超音波式の加湿装置です。タンクに水道水をセットするだけで使用できるシンプルな使い心地で、爬虫類ケージの湿度管理をサポートしてくれます。
ここではFogの開発経緯や特徴を、ゼンスイのご担当者様にインタビューした内容とともにお伝えします。
ゼンスイは水槽用クーラーの大手で、確かな品質とアフターサービスで多くのアクアリストから信頼されているアクアリウム企業です。 ゼンスイの主な製品と魅力と、アクアリウム初心者からおすすめしたい製品5選をご紹介します。
Fogが開発されたきっかけ

以前はマニアックなイメージのあった爬虫類ですが、愛らしい表情や飼育情報がSNSを中心に広まったことで、飼育者が年々増加しています。
それに伴い、爬虫類が過ごす環境を快適に整えることができて、なおかつ使いやすい機材を求める声が増えており、ゼンスイでもUV照明『バータイプソラリウム』『マイクロUVLED』などを発売してきました。
便利な機材が各社から登場し爬虫類の飼育環境はどんどん進歩している一方で、意外にオートメーション化が遅れているのが『湿度管理』の分野です。

爬虫類の飼育環境はバスキングライトなどの熱源が多く、湿度が低い日本の冬は乾燥気味になってしまうことが少なくありません。
このような時の一時的な加湿は、ウェットシェルターや霧吹きに頼ることが多く、筆者のヒョウモントカゲモドキゲージも、手動の加湿で冬場をしのいでいます。
ゼンスイはこのアナログな部分に注目し、不便さを解消できる商品の開発に乗り出しました。
一方、爬虫類や園芸植物市場では、手動の霧吹きかミストシステム(自動噴霧器)が主流です。
自動で噴霧できる機材は、接続が複雑なうえに高価でとっつきづらい商品という印象がありましたね。
実際のところゲージ用の加湿機材というのは、値段や機材の優先順位を考えるとなかなか手を出しずらいところかもしれません。
霧吹きで事足りると感じる方も多いことでしょう。
しかし、手動での湿度管理は「水垢が付きやすい」「水入れを掃除しないといけない」などのメンテナンス面でのデメリットが目につくため、それを解消する提案として、自動噴霧器は価値があるものと考えられます。
Fogの特徴

| 項目 | スペック |
|---|---|
| 本体サイズ | W200×D160×H230mm(セット時:W200×D160×H340mm) |
| タンク容量 | 2.5L |
| 重量 | 830g(セット時:3430g) |
| 加湿量目安 | 約300ml/h(最大運転時) |
| 連続使用時間 | 10時間(最大運転時) |
| 消費電力 | 25W |
構造的にシンプルでミストシステムと比較して、水の粒子が細かく、ガラス面や植物へつく水垢が軽減できるのが一番のメリットです。また、価格が安価に抑えられることと、設置が難しくないことを意識しています。
筆者がユーザー目線で見たときに一番のポイントが、調整がシンプルなダイヤル式であるところです。

細かな数値を表示できるという点ではデジタルに劣りますが、ダイヤル式は直感的に操作ができますし、何より初めてでも失敗が少なくてすみます。
稼働音が非常に静かで、サーモスタットなど外部電源で制御しても設定を維持して霧を発生させられるところも使いやすいです。
また、ホースジョイント部分も特徴的。分岐パーツがついており、2つ以上のケージを同時に加湿できるので、複数台を管理している飼育者にはとても便利です。
加湿機能に特化したシンプルな構造ゆえに、タイマーなどを別途用意する必要はありますが、価格帯を考えると十分な加湿機能を備えた製品といえるでしょう。

アクアテラリウム水槽で使用する利点として、タンクに水道水を入れて水とを発生させるので、水中に沈めるタイプに比べて製品の寿命が長くなっています。また、タンクの水がなくなったときに自動で停止するフローセンサーを搭載しているので、水温にも影響を及ぼしません。
Fogの使用方法

Fogは爬虫類ケージやテラリウムの真横に並べて設置できる加湿器で、
- 多湿環境に生息する植物・生体の湿度管理
- 乾燥が気になる冬季の加湿強化
などの場面で活躍します。
起動方法はとても簡単で、タンクに水を入れてキャップを閉め、ホースを取り付けて電源を入れるだけなので、初めて加湿器を使用する方でも迷うことはないでしょう。
ただ、ホースを使う都合上、以下の点には注意してください。
設置したときにホースがたるんでいると中に水が溜まってしまい、霧が出にくくなることがありますので、霧の出方に疑問があるときはホースの状態をご確認ください。
このようなトラブルは、設置するときにしっかりホースを確認をすることで予防できます。
設置が終わったら、アナログダイヤルで噴霧量を決めて稼働させますが、この時別途タイマーを用意して接続すると、決まった時刻に自動で加湿できるようになるのでさらに便利です。
Fogの効果

では、実際にFogを導入して得られる効果はどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、実際にFogを使用して効果を感じたという爬虫類専門店様からゼンスイにいただいた事例を2つご紹介します。
Fogの効果事例1:苔の成長が早くなった!
ガラス面や植物の葉につく水垢が明らかに減って、メンテナンス頻度が軽減されました。
また、苔類の成長が早くなり調子も上がったように感じます。
Fogから発生する微細なミストは、霧吹きなどに比べて水垢が付きづらく、ケージ全体をきれいに保ちやすいです。
また適正な湿度が維持され続けることから、苔類の成長が促進されます。

※写真はイメージです。
苔類は乾燥すると枯れやすいため、苔中心のパルダリウムでは調子を保つのに重宝するのではないでしょうか。
Fogの効果事例2:生体の成長が良くなった!
イグアナなどのクレスト(タテガミ状のウロコ)が、早くきれいに伸びるようになりました。
リクガメの動きも活発になり、冬季の餌食いが落ちず、年間を通して状態よく管理ができています。甲羅の状態も上がっていて、特に成長線の中心がきれいに成長しているようです。
こちらは爬虫類飼育のご感想です。
背中のウロコであるクレストを美しく伸びやかにするためには、脱皮をスムーズに進める環境作りが必須です。
湿度が十分に管理されていると、皮膚の柔軟性が保たれて、クレスト部分に溜まりやすい皮もはがれやすくなります。

※写真はイメージです。
また、快適な環境は餌食いの維持や改善にも効果的です。一年を通して安定した保湿ができることは、爬虫類の健康維持に欠かせない大切な要素と言えます。
Fogのこだわり!設計・製造時のポイントをききました

安全性を確保するために行っている、設計や製造のポイントについてもうかがいました。
また、開発の段階で会社のオフィスや従業員の自宅で実際に生体を飼育し、製品を使用しないとわからない課題や問題点の洗い出しをしました。
生き物の健康を左右する機材だからこそ、実際に使用してみながら最適な状態に調整をしていくということでしょう。
その他にもユーザビリティ評価や長期使用シュミレーションを行い、実際にご使用いただくユーザー様目線に立った製品開発を心掛けているそうです。
Fogの開発は、一般家電の加湿器にホースを延長する改造を行うところから始まりました。
そこから、用設計で扱いやすい製品にするために、伸び縮みし、角度もある程度固定できるということで蛇腹ホースに行きつきました。
この蛇腹ホースがあることで、ケージのサイズ問わずにミストを送り込むことが可能となっています。
開発者からのメッセージ

最後に、ゼンスイのご担当者様からいただいた、今後の展開や爬虫類飼育者に向けたメッセージをご紹介します。
Fogの今後のビジョン
吐出口に直接つけることでホース1本分短くセッティングできるようになるため、取り回しがしやすくなり、ホースがたるんで水が溜まる現象を軽減できるようになりました。
少しずつ改良を重ね、ユーザー目線でより良い製品となるように取り組んでおります。
また、現在、Fogの大幅アップデート製品を開発中とのこと。
こちらは、シンプルさと低価格を実現するために見送った機能を搭載した、アップグレード版になる予定です。
爬虫類・両生類飼育者に向けてのメッセージ

Fog自体は機能が非常にシンプルなので、必要に応じてプログラムタイマーや湿度サーモスタットと接続していただくことで、より便利に汎用的にご使用いただける仕様となっています。
爬虫類飼育では温度や紫外線と合わせて、湿度も重要な要素です。Fogを健康な爬虫類飼育にお役立ていただけたら嬉しいです。
ケージ内の湿度を自然下の環境に近づけてあげることで、より良い飼育環境となります。
生体がシェルターから出てくることが多くなり、今まで見れなかったような活発な行動を見せてくれるようになるかもしれません。
そうした楽しみをサポートをしてくれるのも、飼育機材を利用するメリットと言えるでしょう。
まとめ:ゼンスイのFog(フォグ)とは!画期的なケージ加湿器をメーカーに取材

ゼンスイのケージ用加湿器Fog(フォグ)について、開発担当者様に取材した内容をもとにご紹介しました。
筆者も爬虫類を飼育していますが、ケージ内の保湿は脱皮のしやすさや皮膚の柔らかさに直結する、非常に重要な要素と考えています。
脱皮は命がけですし、失敗(不全)すると健康に大きな影響を与えるからです。
乾燥する上にヒーターなどの稼働率が上がる冬場、帰宅したらケージ内湿度が30%程度まで下がっていた…などということがあり、何か対策はないものかと頭を悩ませていましたが、今回の取材を通じて加湿器の有用性を強く感じることができました。
Fogは加湿器の中でも約12,000円ほどと価格が控えめで、エントリーモデルとして最適です。
乾燥にお困りの場合や、苔や熱帯植物をより良く育成したい場合に活用してみてはいかがでしょうか。
爬虫類好きのライター集団です。
種類・飼育についてや素朴な疑問について掲載していきます。
より快適な飼育環境を目指して切磋琢磨しています!














